命中率は魚雷70%、水平爆撃80% 真珠湾攻撃前の日本海軍の恐るべき精度 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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命中率は魚雷70%、水平爆撃80% 真珠湾攻撃前の日本海軍の恐るべき精度

針路、パールハーバー! 目標、戦艦!! ~アメリカ太平洋艦隊の一大根拠地を叩いた奇襲作戦にまつわる航空エピソード~ 第4回

空母に技術者を乗せ、ぎりぎりまで改修作業

 一方、浅海面雷撃に向くように91式航空魚雷の改良も進められ、魚雷本体の強化、空中姿勢安定用の脱落式木製框板の装着、安定器の搭載が行われた91式航空魚雷改2が完成した。ところが作戦開始までに100本を用意する手筈だったものが、大村海軍航空廠での調整が遅延。同じ九州の佐世保軍港に所属し作戦に参加することになっていた空母加賀がこれを運搬し、かろうじて間に合わせることができた。

 雷撃と同じく、97式艦攻によって行われる水平爆撃用の新型爆弾もまた開発された。それは、アメリカの戦艦の堅固な装甲を貫徹するための徹甲爆弾で、長門型戦艦の41cm主砲用91式徹甲弾を航空爆弾に改造。99式80番(800kg)5号徹甲爆弾と称された。

 ところがこの99式80番5号徹甲爆弾は、そのままの状態では97式艦攻の兵装懸吊架に装着できなかった。そこで作戦に参加する各空母に技術者を乗り込ませ、ぎりぎりのタイミングで搭載できるように改修を済ませることができた。ちなみに、作戦直前の97式艦攻の水平爆撃の命中率もまた約8割という恐るべき精度に至っていた。

 かくてアメリカ太平洋艦隊を屠るための「二つの得物」とその「使い手」の準備は万端に整い、あとは本番に臨むばかりとなった。

〈次稿に続く〉

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白石 光

しらいし ひかる

戦史研究家。1969年、東京都生まれ。戦車、航空機、艦船などの兵器をはじめ、戦術、作戦に関する造詣も深い。主な著書に『図解マスター・戦車』(学研パブリック)、『真珠湾奇襲1941.12.8』(大日本絵画)など。


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