うつ病や認知症の原因は「睡眠不足」? 快眠のためのOK習慣とNG習慣
まだまだ長引きそうなコロナ禍での生活。そこで知りたいのが、メンタルや体調を崩さないための、ストレス対処法だ。You Tubeでも人気の精神科医、樺沢紫苑さんに今すぐ、誰でもできる方法を聞いてみた。
■長生きのためには最低6時間、7時間睡眠がベスト
睡眠不足は、体の疲れを溜め込むだけでない。集中力、判断力、記憶力などの脳機能を低下させ、イライラしてストレスを溜め込み、うつ病やメンタル疾患、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病をまねくと、樺沢さんは言う。
「最近では、睡眠不足が認知症の引き金になることもわかってきました。アルツハイマー認知症の原因と言われる脳に溜まったアミロイドβタンパクは、睡眠時に脳から排出されるため、睡眠不足の人は、5倍の認知症リスクがあるといわれています」
睡眠時間は最低6時間、ベストは7時間。そして、睡眠の質も重要だ。疲れがとれない、目覚めのスッキリ感がない、日中に強い眠気がある、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める…という場合は、寝る前2時間の使い方を見直し、睡眠の質を上げる習慣を身につけて改善を。
「スッキリ目覚めて『今日も頑張ろう!』」と意欲が湧き、日中の眠気がなければ、充分に睡眠がとれていると考えていいでしょう。睡眠が足りないと感じたときは、20〜30分の昼寝がおすすめ。午後からのパフォーマンスを上げることができます。ただし、1時間以上の昼寝は、夜の睡眠に影響を与えるのでNGです。睡眠不足の人は、1時間でいいので夜の睡眠時間を増やしてください。1週間続ければ劇的に脳の機能が改善します」
――――――――――――――――――――――――― 【睡眠の質を上げるOK習慣】 •入浴は90分前までに済ませる •室内は完全に消灯して真っ暗に •室温は夏季25~26℃ 冬季18~19℃が適温 深い眠りに入るには、「深部体温が下がること」が必須条件。40℃のお風呂に15分入浴すると90分で深部体温が下がるため、入浴を上手に活用し、室温も低めに設定を。また、わずかな光でも睡眠物質のメラトニンを抑制するため、寝るときは真っ暗な部屋で。 【睡眠の質を下げるNG習慣】 •就寝前にブルーライトを浴びる •寝酒、就寝2時間以内の食事 •ゲームや映画などの興奮系の娯楽 寝る前は、「脳をリラックスさせる」ことが必須条件。「今は昼」と脳に認識させるブルーライトを浴びたり、脳を興奮させるゲームや映画に夢中になるのはNG。寝酒や寝る前2時間以内の食事も、習慣化すると疲労が回復せず、睡眠障害の引き金になる。 ―――――――――――――――――――――――――
精神科医・作家 樺沢紫苑さん 1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年よりイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。YouTube「樺沢紫苑の樺チャンネル」で人気を博すほか、『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)シリーズは70万部の大ベストセラーに。 最新刊『精神科医が教える ストレスフリー超大全』樺沢紫苑 著 ダイヤモンド社 1600円+税
(一個人2021年冬号より抜粋)