賢い人ほど、法を犯さず大金を手にする
【パラダイス文書】を橘玲氏が徹底解説2/3
「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます
確かに「なんでもあり」のタックスヘイブンだが…
シズカ…ちなみに、パラダイス文書にはどんなことが書かれてたのでしょう?
橘…流出したのは、主にアップルビーが抱えていた顧客情報で、日本で言う登記情報のようなものです。顧客とのメールのやりとりも含まれるようですが、大半は会社の所在地や取締役の名前、住所などでしょう。
シズカ…なんかそれってプライバシー的にどうなのかしら……。
トオル…いいじゃん! 悪い奴はどんどん公表しなくっちゃ!
橘…いやいや、パラダイス文書で名前を公表された人たちの大半は違法なことはしていないと思いますよ。
トオル…そうなんですか? でも、タックスヘイブンはマネーロンダリングの温床になっていたり、マフィアがヤバい金を溜め込んでるって聞いたことがありますよ。
橘…確かに、一昔前までは途上国の独裁者や麻薬マフィア、武器商人、テロリストなどがタックスヘイブンを利用していたなんて話もありました。
トオル…ひぇぇ。『ゴルゴ13』の世界ですね。
橘…有名なのはバチカンで、冷戦時代には共産主義に対抗するために、イタリアのマフィアと手を組んで教会ぐるみでマネーロンダリングに手を貸していたといわれています。
シズカ…カトリックの総本山が裏社会の人たちとズブズブだったなんて……。こう聞くとタックスヘイブンって何でもありの世界なんですね。