賢い人ほど、法を犯さず大金を手にする
【パラダイス文書】を橘玲氏が徹底解説2/3
ジェット機を購入して4億節税!? タックスヘイブンのやり口とは
橘…ただ、2001年の9・11同時多発テロ以降、テロリストグループがタックスヘイブンを使っていたことが問題になって、いまではまともな金融機関は不審な金は扱わないようになっています。テロに関与したことが発覚したら、メガバンクでも倒産してしまいますから。
シズカ…それで、パラダイス文書に書かれていた顧客も99%は合法なんですね。第1回では「法の目をくぐれば税金がゼロになる」って教えてもらいましたが、具体的にはどんな方法があるんですか。
橘…パラダイス文書から流出した例だと、F1レーサーが20億円のジェット機を購入した時に、イギリス王室領のマン島というタックスヘイブンを経由させて消費税4億円を支払わなかったというケースがわかっています。
シズカ…消費税が4億って(笑)。でもこれも合法なのね。
橘…一流法律事務所が合法のお墨付きを出していますから、違法行為と決めつけるのは難しいでしょうね。タックスヘイブン(オフショア)を利用した租税回避スキームは様々なので代表例を紹介することは難しいですが、中にはタックスヘイブンに自分の銀行を設立して、そこからお金を借りて節税する人もいます。あとは、保険会社を作って、自分で自分に保険をかけて保険料を支払うとか。
シズカ…かなりの強行突破ですね……。銀行や保険会社まで持っているとなると、税務署の人も困惑しそう。