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千葉ロッテの意識改革「選手には具体的な数字を書かせる」井口監督に聞く

井口資仁監督に聞く。Q2.目標とする優勝を目指すためにまず選手に課すことは?

 「BEST T!MES」連載30問30答、2018年最初に登場するのは2017年の雪辱を期す千葉ロッテマリーンズの新監督・井口資仁氏。「Q2.目標とする優勝を目指すためにまず選手に課すことは?」。

「プロは結果がすべて」と言われる理由を伝える

 

  選手個々には、2月1日から始まる春季キャンプで、最初に具体的な目標を紙に書かせるつもりでいます。それは「一軍定着」とか「ローテーション入り」という結果ではなく、「○勝する」「打率○割を残す」といった具体的な数字です。

 どんなプロ野球選手も、シーズンが始まるときには、ざっくりとした目標は立てますが、それではシーズンが進むにつれて、どうしてもブレていってしまう。だから、明確な目標が必要になってくる。もちろん、自分の実力とかけ離れた突拍子もない数字を掲げても意味はありません。でも、頑張れば手の届く範囲の数字で目標設定することは非常に有効なやり方だと思います。

 そして選手たちには、毎日の練習がつらく感じる時に、自分で書いたその目標を見て、自分自身を鼓舞してもらいたいと思います。

 

 僕自身も、現役時代……ダイエーホークスに在籍していた20代の頃は、たとえば、「1週間に1盗塁」という具体的な目標を設定していました。その目標をクリアしていけば、シーズンで30盗塁以上を記録できる。そうすれば、盗塁のタイトルも視野に入ってくる。

 成績はそうやって残すものだと僕は考えています。それを積み重ねることが選手としてのキャリアアップとなり、一流選手への道につながっている。

 プロ野球がなぜ「結果がすべての世界」と言われるのか。その本当の意味を、特に若い選手には理解してほしいと思います。

 僕自身も数字の目標を立てなければいけません。チームの勝敗をマネジメントする指揮官の立場としては、90勝を一つのラインと考えています。もちろん、すべての試合で勝つことが理想ですけど、相手がいることなので、実際の勝負ではそう上手くはいきません。その中で、たとえば、こちらのエースが登板する勝ちゲームや、反対に相手のエースと対戦しなければならない、いわゆる捨てゲームなどを考慮しながら計算して、90勝を狙う戦い方をしていきたいと思います。

 僕自身がチームを率いることを初めて経験するので、実際にやってみないとどうなるかわからない部分があることは事実です。でも、だからと言って途中で目標設定を変えるようでは、いけないと思います。

 そういう信念がなければ、長いシーズンを耐えながら戦い抜いていけない。チームとしても、監督である僕自身としても、開幕時に立てる目標を1シーズン、ブレずに持ち続けたいと思います。

〈明日の質問は…「Q3. 現役引退を決めたきっかけは?」です〉

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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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