【激裏不動産】事故物件が白くなる超絶テクニック《ウル技12》
納得できない商慣習を超えていく技[売買仲介・買取再販編]
不動産の世界はしばしば海に例えられる。不動産に魅入られて挑戦した者の多くが海の底へと沈んでいった。それでも海に挑む者は後を絶たない。そこには見たこともない財宝が眠っているからだ…。
本記事は、不動産業界という大海を渡り、財宝を発見するための航海術を記した辞典であり、大手デベロッパー、大家、地主、ブローカー、地場管理会社の4人がそれぞれの立場で、奥深き賃貸の世界を語りつくしたものである【以下「全宅ツイ」メンバー参照】。
■名付けて「カルピス商法」〜心理的瑕疵希釈術〜
解説:【カルピス商法】 Aという土地に心理的瑕疵(注①)があるとして、B土地に合筆(注②)し、Aという土地をこの世から抹消。さらにBをC,D,E,Fに分筆し普通の土地として販売。このようにして心理的瑕疵を極力薄める販売手法を我々は「カルピス商法」と呼ぶ。もちろん重説(注③)にも物件状況にも記載しない。
野球くん(以下・野):これはバス停移動しちゃうウル技といっしょで、その瞬間しか騙せないすよね。薄めて重説から消えても、隣のおばさんに「前に住んでた田中さんもまさかあんなことになるなんてね…。え、知らないの?」って、言われでもしたら一巻の終わり。近所はみんなそこで起きた事件のことは知ってる。
どエンド君(以下・ど):自殺した人と同じ甲区に並んで自分とこの名前がのるより、ロンダリングされたきれいな謄本の方が気持ちはいいかもね。
野:たとえ事故物件で載ったとしても「大島てる」からも消えるシステムがあると便利ですね。
ど:課金すると消せるプラン作って欲しい。
はとようすけ(以下・よ):告知事項のラインって難しいんすよ。たとえばマンションでエントランスに飛び降り自殺した場合、部屋からかなり遠い場所で。これが事故物件か否かなんすけど……。
野:セーフ! セーフ!
よ:みんな細かな事気にせず生きよう。いずれみんな死ぬから。
野:そうそう。なるべく自然死しようぜ!
ど:最後は自宅の敷地の一歩外で自然死する。
よ:這って事故物件にしない不動産聖人。
野:そのために道路があるんだ。
ど:オレたち道路で死のうぜ!
注①心理的瑕疵 その場所で過去に起きた出来事により、借主・買主が嫌悪感を持つ物件のこと。自殺・他殺・事故死・孤独死などがあった事故物件、墓地が立地していること、近隣に反社会的組織が居住していること、「神聖スポット・井戸跡」など縁起の悪さを感じさせられること、「遊郭・風俗跡」のように生理的嫌悪が否めないことなどがある。 注②合筆 隣接する複数の土地を1つの土地に、法的に合体させること。「分筆」とはその逆。 注③重説 「重要事項説明」の略。宅地建物取引業者が、売買契約や賃貸借契約の締結に先立ち、買主・借主に対して契約上の重要な事項を説明すること。
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■本ページの使い方
本ページはツイッター上で、多くの不動産航海士たちから集められたウル技を、「賃貸管理/大家」「売買仲介/買取再販」「開発/建築」と3つのブロックに分けた上で、全宅ツイの幹部メンバーたちが検証・解説するものである。