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江戸時代の国学者の驚くべき先進性

「バーチャル」と「リアリティ」をつないだ“神道” 日本人が説明できない「神道」③

 それは、例えば平田篤胤(ひらたあつたね)という江戸時代から明治初期の国学者です。

 戦後、平田篤胤は、「日本の国家神道の思想を作り上げた」といわれ批判されて来ましたが、これは近年の研究でその批判は間違いであったことが判明して来ています。

 確かに『霊能真柱(たまのみはしら)』を書いた平田篤胤は、本居宣長以降の日本人の心の拠り所である神道の理論を明治期に打ち立てた神道国学者でした。

 しかし、むしろ実際には、江戸末期に長崎の出島で蘭学を研究していた山村才助(やまむらあいすけ)の記した『西洋雑記』の影響を受け、ヘブライ古伝やエジプト古伝などの国際的な研究や、後年には「霊界」や「幽界」に関心を持ち、中国の道教や神仙道などの研究に走って行くのです。つまり、平田篤胤は、「グローバリスト」でありながら、バーチャルな世界も志向する「スピリッチュアアリスト」の側面も強かったのです。

 江戸時代からそのような人物がゴロゴロ存在した日本人は、バーチャルな世界に強いのは当たり前なのです。

『日本人はなぜ外国人に「神道」を説明できないのか』より構成〉

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山村 明義

やまむら あきよし

作家、ジャーナリスト、神道史家

作家、ジャーナリスト、神道史家。昭和35(1960)年、熊本県生まれ。早稲田大学卒業後、金融情報誌など出版社勤務を経て平成2年に独立。 代表的な著書には、『神道と日本人』(新潮社)、『GHQの日本洗脳』(光文社)などがある。

 戦後のGHQによる日本占領史研究は、約30年前から日米両国で文献収集とオーラル・ヒストリーの取材・調査を行ってきたが、 最近では日本人が目指すべき「ポストGHQ体制」に強い関心を持ち、特に日本古来の伝統文化の継承を日本と世界に幅広く訴えかけてゆきたいと考えている。


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  • 山村明義
  • 2018.01.10