【美人京大卒雀士】私のまーじゃん放浪記 「あおぞら」
大切なことは全て部室で教わった 「戦わない」受験勉強法コラム
大切なことは全部この部室で教わった
大学院生の大先輩から私みたいな新入生まで幅広い年代の学生が出入りしていているその空間には、常時だいたい4〜5人がいました。中にはほとんど住んでいた人もいましたね。つまり、いつでも麻雀ができるというわけです。
万が一人数が足りなくても、電話で呼び出せば誰かがすぐ来てくれます。ちなみに京大のひとり暮らし勢はみんな自転車で大学まで来れるところに住んでいます。だからどんな時間でも集まることができるのでした。
こんな環境にいると、時間の概念がだんだんなくなっていきます。麻雀して、眠くなったらその辺で寝て、起きたらまた麻雀して、お腹が空いたら近くのラーメン屋か食堂へ行き、また麻雀をして……あれ? 今何曜日だっけ? みたいなことはザラです。下手したら昼か夜かがわからなくなります。楽しすぎる魔境です。ちょっと油断したら履修登録をや試験日なんて簡単に過ぎ去ります。息をするかのように自然に留年する先輩が何人かいたのも頷けますね。
ただ、季節感だけは思いっきり感じることができました。クーラーがないため、夏は「自分の身は自分で守る」がテーマ。全員2リットルペットボトルの水の持参が必須となります。冬は冬でこたつが壊れていたため、4人以上集まらないとものすごく寒いです。室内でもダウンを着て毛布をかぶって麻雀を打つ光景は、結構なサバイバル状態。今となってはなんでそんな過酷な環境でみんな遊んでいたのかと不思議に思うのですが、きっと若かったからでしょうね。春夏秋冬、部室には人が絶えることなく、人数が多かったら2卓めが立ったり、ゲーム大会がはじまったりもしていました。『桃鉄(桃太郎電鉄)99年チャレンジ』、大変だったなぁ。
暑いし、寒いし、まぁまぁ古くて汚いし、むさ苦しいし。それでもそこは当時の私の楽園でした。先輩たちからは妹というよりは弟のようにかわいがってもらって、本当にありがたかったです。
麻雀の手順も、単位の拾い方も、自転車の裏道も、おいしいラーメン屋さんの場所も、カラオケでの立ち回りも、狭いスペースでねむる方法も、変な人に引っかからないコツも、大切なことは全部この部室で教わりました。