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震災の爪痕は目に見えずとも…伊達政宗さま御廟所「瑞鳳殿」を訪ねる

季節と時節でつづる戦国おりおり第323回

政宗さまに『会い』にいく。④

 さてさて、仙台の二日目はまずタクシーで、経ヶ峯の政宗さま御廟所、瑞鳳殿へと向かいます。バスだと麓までしか行かないのですが、タクシーなら結構な高みまで送ってくれるので、楽ちんなのです。こういう行為の繰り返しが筋力の衰えと新陳代謝の低下を生むのですがね。歳には勝てません。

 

 登ってみると…あれ?拝殿の扉が開いているではありませんか。

 なんと! 政宗さまの像を拝観できる状態になっておりました。作業員の方々がうちそとで働いておられ、責任者とおぼしき方にお尋ねすると、修復が必要な箇所が無いか、事前調査のための準備をしているとのことでした。実際、すぐに作業は終わって、扉はなにごともなかったのごとく閉じられてしまいました。

 

 この通り。
 本当に短い時間の開扉に居合わせたわけで、僥倖というほかはありません。皆様、日頃の行いは大事ですよ!

 それにしても、2001年に改修工事をほどこしてから16年。たしかにあちこち手入れが必要かも知れませんが、やはり2011年の大震災が影響しているのかもしれません。
 あのとき石灯籠や供養塔などが倒れたのみで、瑞鳳殿本体にはそれほど被害は無かったと報じられていましたが、あちこちに負担がかかったことは間違いないと思います。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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