井口資仁・ロッテ監督「同世代」を幸せな世代と断言できる理由
井口資仁監督に聞く。Q30.同世代(35‐45歳)についてどう感じていますか?
■新しいものと古いものどちらも取れる
野球の世界でも同じようなことが言えると思います。例えば練習法について。僕らよりも上の世代の選手たちは、その先輩たちから受け継がれてきた昔からのやり方を続けてきました。その是非は別として(実際、現代に合っているものもも合っていないものもあって、個々の選手によってその評価も変わってきます)、現実として選択肢がその一つだけしかなかったわけです。
僕らの世代になって、システムが変わり、メジャーリーグに挑戦して、実際に米国の野球を経験した選手が現れ始めます。そして現在は、それを日本に帰って伝える側に回ってきている。つまり、新しい練習法が日本にも入ってくるようになったわけですね。
インターネットなど情報ツールが発達した現在では、プロ入りしたての若い選手でもその気になれば簡単に世界にどんな練習法があるのか調べることができます。
ただ、若い世代がその新しい練習法をすぐに試せるかと言えば、そう簡単にはいきません。個人の範疇なら空き時間に自主トレとしていくらでもトライできますが、問題はチームとして……つまり首脳陣がどういう考え方を持っているかによるわけですから。
僕らより上の世代の方たちの立場になって考えてみると、新しい練習法を取り入れるのは非常に勇気のいることです。指導者として、自分たちがやってきたのとは違う練習法で選手に教えることを躊躇する気持ちは理解できます。メジャーリーグの練習法だからといって、すべてが正しいわけでもないでしょう。日本人選手に合う、会わないという問題も出てくると思います。
そこで、ポイントとなるのが、実際にメジャーリーグの野球を経験し出した僕たちの世代の経験なのです。実際にやってみたからこそ、どういう練習法なら日本球界に導入しやすいのか、日本人選手に合っているのか、判断できるのですから。