浦和・遠藤航、成長のために必要な「試合における1対1の精度」
デュエルとは何か。日本と世界の差はどこにあるのか。浦和・遠藤航連載第24回
■中盤のポジションへの挑戦と考察
そうしたチーム内での役割を理解した上で、ごく個人的なことで言うと「アンカー」のポジションに挑戦したいという思いが変わらずあります。昨シーズン途中に監督が変わったことで偶然にもA代表と同じフォーメーションとなりました。あくまで個人的な成長の話で申し訳ないですが、そこで挑戦することは将来の自分にとって必要不可欠なものだと感じているのです。
では、それを実現するために、僕に必要な要素は何か。
2017年、世界のサッカーを観ているときに感じ入った選手がいます。モドリッチ(レアル・マドリード)です。「うまいなあ」と感嘆するとともに、やっぱり世界で叩ける中盤の選手はボールを持てることが最低条件だな、と感じました。ポジションやタイプが異なるので自分がモドリッチと同じようにプレーする必要があるとは思いません。ただ、現代の中盤選手の役割はものすごく多様化していて、その部分で伸ばすべき部分がまだたくさんあると感じたのです。
特に僕が中盤をやるとき、攻撃に関してはシンプルにボールを叩いてリズムを作る、ワンタッチで縦に入れるといった基本的なことをしっかりやろうと努めていました。それは前線の選手が要求することでもあり、とても重要なことです。ただそれだけではダメで、厳しいプレッシャーをかけられたときどう対応できるか。個で打開できるか。その能力はとても大事だと感じました。これは中盤だけではなくサイドでも同じかもしれません。代表でブラジル代表と試合をしたときも、カゼミーロやマルセロの能力の高さを、そういうところに感じたのです。