メジャーでも放った存在感。井口資仁の守備、もっとも大事にしていたこと
井口資仁監督に聞く。Q22. 守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<前篇>
■セカンドのゲッツーはバランスよく回転しなければいけない
ゲッツープレーの場合を考えるとより分かりやすいと思います。4-6-3のダブルプレーではショートの場合、セカンドからの送球が来る方向と、自分がファーストへ送球する方向に大きな違いがありません。だから、自分がセカンドベースに入りながら、捕球&送球を一連のスムースな動きで行えます。タイミングによっては、ボールを握り直す余裕も生まれるでしょう。
でも、6-4-3のゲッツーで、セカンドはそうはいきません。セカンドベース上で、ショートからの送球を捕球しながら、バランスよく回転してファーストへ送球しなければなりませんからね。
昨年から、ルールが改正され、一塁ランナーがダブルプレーを狙う二塁ベース上の野手の動きを邪魔することが禁止になったことは、ご存知だと思います。しかし、僕が現役の頃、ゲッツー崩しのスライディングは、プロのランナーの技術の一つと見なされていました。もちろん、守る側もそれがランナーと野手の駆け引きだと納得もしていました。
ショートからの送球が必ずしも、ファーストへ送球しやすい位置に来るとは限りません。その捕球の動きの中で、ランナーの動きも確認しながら、「一歩前へ出てから、ファーストへ送球した方がいいか」「いや、その場で行けるか」といったふうに判断していました。
その動きで最も大切なのがバランスだったのです。
明日の質問は…「Q23.守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<後篇>」です。
- 1
- 2