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全米が絶賛した井口資仁の「あのプレー」はいかにして生まれたのか

井口資仁監督に聞く。Q23. 守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<後篇>

 もしプレーの映像を見る機会がったら確認してみてください。キャッチしてボールを右手に握り返した直後に、グラブをした左手で地面を叩いているはずですから。

 だから、あのプレーは、決して無理な体勢からむやみにファーストへ送球したわけではありません。あの瞬時の間に、実際にファーストの姿も確認していました。なので、送球した瞬間に体は空に浮いていましたが、感覚としては、立った姿勢でボールを投げるいつもの送球をそれほど違いがなかったわけです。強いて違いを挙げれば、自分の眼から見て、ファーストが縦になってるか、横になってるか、その角度がいつもとは変わっていただけというか……。
 もし自分の中で「バランスを取れている」という感覚がなかったら、ファーストへは送球していないでしょうね。逆に言えば、投げてアウトにできたということは、バランスがとれていたということでしょう。このように、セカンドに取ってバランスというのはとても重要な要素なんです。

 最後に。ここでセカンドとショートの違いを話しましたけど、決してセカンドの守備よりもショートの方が簡単だという意味ではありません。ここでは敢えて、ショートよりも難しいと思われるセカンドのプレーを紹介しただけですから。もちろんショートにもセカンドよりも求められる要素……例えば肩の強さなどがあります。

2つのポジションとも、センターラインと呼ばれる守備の要。念のために付け加えておきます。

明日の質問は…「Q24.現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください」です

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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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