ダイエー時代に確立した原点。井口資仁が語るコンバートの効用
井口資仁監督に聞く。Q24. 現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください(1/3)
「BEST T!MES」連載30問30答、2018年最初に登場するのは2017年の雪辱を期す千葉ロッテマリーンズの新監督・井口資仁氏。現役時代の忘れられないシーンについて聞きました。今回は「ダイエー時代」のベストシーンです。
■守備のバランスが打撃のバランスを改善した
ダイエー時代の思い出はいくつもあります。プロデビュー戦での満塁ホームランや1999年に初めて日本一になったこと、どれも印象深い出来事ですが、1シーズンだけ挙げるとすれば、セカンドにコンバートになって、初めて盗塁王のタイトルを獲得した2001年でしょうね。
走攻守と言われるプレーの中で、僕は守備が一番好きです。守りが基本になっていると言っていいかもしれません。
このシーズン、僕はショートからセカンドにコンバートになりました。この連載の「守備についての質問」で詳しく述べていますけど、セカンドを守るようになって一番こだわったのがバランスです。そして、その意識が打撃にも好影響を及ぼします。それまでは、前に突っ込みながらバットにボールを当てにいくようなスタイルだったのが、ボールを待って軸で回転できるようなバッティングになった。守備でバランスを重視するようになったら、打撃のバランスも良くなったわけです。
一言で言えば、体の使い方が分かってきた、という感じですね。
その後、金森栄治コーチから打撃の手ほどきを受けたり、プレーするステージが変わっていき、それに伴ってチームから求められる役割も変わったりして、打撃のスタイルに多少の変化は出てきますが、自分の基盤となったのは、このシーズンに確立したスタイルです。不調になって自分を見失った時、立ち戻る形と言ってもいいでしょう。
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