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ダイエー時代に確立した原点。井口資仁が語るコンバートの効用

井口資仁監督に聞く。Q24. 現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください(1/3)

 

■入団から数年に満足できなかったからこそ

 ここをベースに、右方向へ強い打球を放つ打ち方を磨いたり、さらに経験を重ねたことによる「よみ」なども加わったりして、よりレベルの高いバッティングの実現を目指したわけです。
 昨年の現役引退試合前、僕は1か月間、浦和の二軍施設で調整しましたが、その時に意識していたのも、このシーズンに確立した打撃スタイルでした。

 僕は大学卒業後、即戦力として期待されてプロ入りしながら、なかなか満足する結果を残せないシーズンを過ごしました。そして迎えた入団5年目に、なんとか自分なりの手ごたえをつかめました。
 ただ、今から振り返ると、いろいろと悩んだ末、このコンバートをきっかけに自分のスタイルを築けたことは、大きな意味があったように思います。

 もし最初から、満足する活躍ができていたら、自分のスタイルを築くという意識すら持てなかったかもしれませんし、「何かを掴めた」という気づきも訪れなかったかもしれません。ある程度の時期に壁にぶつかり、その壁に跳ね返されていたのではないかとも思います。きっと、43歳になるシーズンまで現役を続けられなかったでしょうね。

 そういう意味で、01年は僕の野球人生において非常に重要なシーズンだったのです。

明日の質問は…「Q24.現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください」(2/3)」です。

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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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