井口資仁「引退試合、最終回、同点2ランホームラン」第3打席での伏線
井口資仁監督に聞く。Q26. 現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください(3/3)
「BEST T!MES」連載30問30答、2018年最初に登場するのは2017年の雪辱を期す千葉ロッテマリーンズの新監督・井口資仁氏。現役時代の忘れられないシーンについて聞きました。今回は「ロッテ時代」のベストシーンです。
自分の打撃を取り戻す「引退試合」
<ダイエー時代のベストシーン><メジャー時代のベストシーン>
2009年からプレーした千葉ロッテでも、翌10年の日本一や、13年の日米通算2000安打達成など良い思い出がいくつもあります。その中でも今、一番記憶に残っているのは現役最後となった昨シーズン9月の引退試合ですね。
こんなふうな引退試合になればいいな、と思っていたことがあったんです。それが本当にその通りになった。いまだに信じられないような気持ちです。
想像していたのは、自分の持ち味である右方向への強い打球……これまで積み上げてきたバッティングでホームランを打ちたい。引退試合に向けて1か月間、二軍で調整していた時は、その打撃を取り戻すことに集中していました。
現役最後の2、3年は代打での出場が多く、自分本来のバッティングがなかなかできていなかったので、「取り戻す」ことは簡単ではありませんでした。
というのも代打では、試合の勝負所で起用されることがほとんどです。つまり終盤。対戦相手は必然的に相手のセットアッパーやクローザーになる場合が多くなります。いきなり150キロを超すスピードボールに挑まなければならないわけですから、ストライクが来たら初球からスイングしていかないと、その打席のうちにタイミングを合わせられません。じっくりボールを見る余裕はなく、「右方向へ」という意識は、どうしても後回しになってしまっていました。
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