《極寒の奥羽本線》わたしの夢は及位(のぞき)駅を覗くことなのです!【女子鉄ひとりたび】32番線
すべての鉄道を乗りつぶした唯一の女性芸能人が行く、冬の東北・鉄道の旅1回目
元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。今回の旅の目的地は沖縄から、一気に北へ。厳冬みちのく、女ひとりたび。どんな出会いが彼女を待ち受けているのか。こうご期待!
■理想のカレシは400系新幹線つばさくん!
さて今回はJR奥羽本線にある、及位(のぞき)駅を訪れた時のこと。身長ほど積もる雪に囲まれ、このまま死ぬかもしれないと思った話だ。
この駅は山形と秋田の県境に近い場所にある。人里離れた山の中にあり、一日の乗降客数も20名程度と少ない。鉄道ファンが喜ぶ、秘境駅的なロケーションだ。
駅名の由来は、かつてこの地で、崖から宙釣りになりながら、岩と岩の間の穴を覗くという修行をしていた人がいたことにちなむ。後年その修行僧が高い「位」に「及」んだことから「及位」との漢字があてられた。
以前、ここを通過したときに、その存在を知って衝撃を受けた。私は窓に張り付いて、駅名を凝視したまま列車に運ばれていった。しばらく胸の高鳴りが止まらなかった。反社会性を帯びつつも、どこか甘美な誘惑を彷彿とさせる響きのこの駅名に、すっかり魅せられたのだ。
「駅名標と一緒にツーショット写真が撮りたい!」
この想いをかなえるため、ある冬の日に向かった。
東京から及位駅を訪れる一番の近道は、山形新幹線「つばさ」で新庄(しんじょう)駅を目指し、そこから奥羽本線の普通列車に乗り継ぐルートである。
つばさには、かつて私が大好きだった車両400系が充当されていて、当時は彼に乗るだけのために山形や新庄を何度も訪れていた。
あのとき、私は400系新幹線に恋をしていたのだ。
400系に一目ぼれしたのは上京直後のこと。新幹線といえば「白い車体に青い線が入った電車」だった私にとって、東京駅で初めて出会ったシルバーメタリックの車体は、あまりに衝撃的でイケメンに映った。
性格も、知れば知るほど素敵だ。
例えば、他の新幹線よりもひとまわり小さいため、乗降口とホームの間に隙間ができてしまう。そこで停車時に収納式のステップを出し入れして、乗客をそっと支えるのだが、この姿は気配り上手な優しさにしか見えない。
軽量化でアルミ車体が多い新幹線のなかで、鋼製を採用したボディーに男らしさと強さを感じる。
「決めた。私、〝つばさくん?の彼女になる!」
妄想の中で彼氏となった400系・つばさくんは、私の鉄道趣味に彩りを与えてくれた。車両のディテールの一つ一つさえ愛おしく感じられるようになり、彼への愛は最高潮に。お金を払わないと会ってくれない彼に少々疑問を抱きつつ、デートと称して乗車をするようになっていった。
極めつけは、つばさくんの誕生日。山形新幹線の開業日である7月1日に、東京駅のホームへホールケーキ持参で駆けつけ、二人?でお祝いをしたこともある。
文字で説明するとちょっとしたホラーだが、何年もテレビを通して言い続けた結果、400系引退時に日経新聞から「いまの心境は?」と取材依頼をいただいてしまった。
妄想は現実となる。それを確信した出来事だ。
(33番線へ続く)
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■ベストセラーズより、スゴイ鉄道の本が発売されるお知らせ
木村裕子さんもオドロキ! これ一冊ですべての鉄道が分かっちゃう、お役立ちの本が発売日変更、令和3年8月2日に発売されます。
「この電車、なんて言うんだろ?」とふと思った時にさっと調べられる、乗り鉄、撮り鉄なら持っていたい必携の書。JRから私鉄まで、ぜんぶの電車が載ってる本は現在、これだけです!
■木村鉄道株式会社より大幅なダイヤ改正のお知らせ(鉄旅タレント卒業します!)
木村鉄道株式会社の社員のみなさん、関係者のみなさん、いつも応援して下さっているみなさんへご報告です。
わたくし鉄旅タレント木村裕子は、来年2021年5月30日(日)を持ちまして、鉄旅タレントから心理のお仕事へ大幅なダイヤ改正(肩書変更)することといたしました。
私には10代の頃、「芸能人になりたい!」と「心理に関するお仕事をしたい!」という2つの夢がありました。
19歳のときに「芸能人行き」の列車を選び、そこでやってみたい夢リスト100個を作って挑戦した結果、なんと芸歴19年でその100個を叶えることができました。
この100リスト達成をキッカケに、昨年からもうひとつの夢だった心理に関するお仕事を副業で始めたところ、有難いことに徐々にお客さんが増えていき、そちら1本で生活できるまでになりました。
心理の仕事の詳しい内容は、
★公式HP 「虐待で育った私が世の毒親問題をめった斬る!毒親との正しい戦い方教えます。」
★概要 30歳まで母の教え「お前は幸せになってはいけない」を守り続けたおバカ。19歳で家出、34歳で親と縁を切るなどを経て現在良好な親子関係に。その経験を生かしてブログ更新中♪ を参照してください。
そのためここでいったん鉄旅タレントに区切りをつけて、30代最後の挑戦として肩書きを変え、新型列車「解毒案内人」行きへ乗り換えすることを決めました。
肩書きは変わりますが、今まで同様、事務所はマセキ芸能社になります。
今後の鉄道関係のお仕事は、
肩書き:解毒案内人 名前:木村裕子 趣味・特技:日本の鉄道を完乗したレベルの乗り鉄(元鉄旅タレント) 主な活動:執筆、講演会、無料・有料相談、メディア出演など
という立場でもご依頼頂ける場合には、喜んでお受けさせていただきます!
(※いったん鉄道関連のお仕事をリセットするため、現在のレギュラーのお仕事は、来年5月末までに卒業という方向で話し合い中です。)
19歳のとき、「芸能界にコネもない、お金もない私がどこまで行けるか!?」と宣言し、ここまで木村鉄道に乗車&応援して下さったみなさんには本当に本当に本当に本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そのため、今後のコロナの状況にもよりますが、あと半年間で出来るだけ全国あちこちでみなさんと会えるイベントやオンラインイベントが出来ればと思っています!
そしてイベントやメディア等への出演案件がございましたら、ぜひお声がけお待ちしています♪
リニューアルまであと半年、よろしくお願いいたします!
※木村鉄道の廃線ではありません。笑
■映画「電車を止めるな!~のろいの6.4km~」 木村裕子役で出演させて頂きました
廃線寸前の鉄道会社が企画した、起死回生の「心霊電車」企画
カメラを前に社員全員で必死に心霊現象を演出するが
視聴者からの厳しい書き込みで炎上していた。
しかし、丑三つ時に本物の霊現象が起こり始める。
電車は止まることなく走り続け、終着駅まであとわずか...
参加者、そして銚子電鉄の運命は───!?
上映場所のご案内・チケット購入はこちら→https://www.dentome.net/
■松浦鉄道たびら平戸口駅で「女子鉄ひとりたび」絶賛発売中!
松浦鉄道さんのご厚意により、裕子の本を置かせてもらいました!
特別な特典はございませんが、旅の記念に、お土産に、もし見かけたら買ってくださいね。