なぜニットにはトナカイや鹿が描かれるのか?【民族柄の基礎知識(2)】
冬になると欲しくなる民族柄のアイテム。でも柄の違いやその意味って、意外に知らないよね?
ニットなど、冬になると取り入れられることの多い「民族柄」。でも、細かい柄の違いやその意味については結構知らないことが多い。今回はそんな知っておくと便利な、民族柄の基礎知識について徹底レクチャー。第2回は「意外に知らない民族柄の基礎知識」をQ&A方式でご紹介。
Q. 「オルテガのチマヨベスト」はなぜスゴイ?
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写真を拡大 チマヨベストはすべて手織りのため、年によって生産数が変化する場合も多く、日本に輸入される数も増減するとか。チマヨ織の代表的な柄は当然「チマヨ」だが、他にもサティロ、バレロ、リオグランデなど3種類が存在する。
8代にわたるファミリーの手で受け継がれた「伝統工芸品」
植民地時代のアメリカ大陸にやってきた開拓民が、母国スペインのデザインと現地の伝統的な柄をMIXさせることで生まれた「チマヨ柄」。以来、伝統を受け継ぎながらすべて手織りにこだわって製作されるそのベストやラグは、工芸品として世界中で高い評価を受けているのだ。
チマヨ柄を生んだ「チマヨ村」ってどこにある?
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写真提供:ワイルドウエスト
サンタフェから北東へ約38kmの位置にある、18世紀にできた小さな村。今も作家が多く住む「織物の街」であるのと同時に、キリストの奇跡の砂伝説が残る「信仰の街」でもある。
オルテガってどんなブランド?
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こちらがセンチネラのチマヨベスト。
現在のチマヨ村のある地域にやってきたスペイン系開拓者のガブリエル・オルテガが、息子のミゲル・パブロに手織り技術を伝えたのがルーツ。1900年に5代目のニカシオが店舗を構え工芸品の販売を開始、オルテガ社の基礎を築いた。ちなみにそのオルテガから分かれたテュフィロ一家が立ち上げた工房がセンチネラで、チマヨ織の2大老舗として知られる。