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【75年前の今日、残念な日本へ】1946年2月3日、マッカーサー元帥がGHQ民政局に新憲法草案作成を指示

平民ジャパン「今日は何の日」:14ニャンめ

◼︎敗戦76年、当時12歳の少年はまだアメリカに居候しているのか

 

 改憲だ護憲だと紅白歌合戦に興じながら時は過ぎた。
 日本を永久に封印するための仕掛けだったという者もいれば、おかげで恒久平和が保たれてきたという者もいる。
 マ元帥以来の米軍のおかげだという事実は棚上げされたままだ。
 いずれにせよ、今年11月に公布75周年を迎え、現存する世界最古の憲法は非改正の最長不倒記録を更新する。
 迫りくるカタストロフィを予告しながら現世利益を追求する終末思想団体がある。やる気の無い革命の旗を掲げて自己保存する革命組織もある。

 しかし、憲法改正を半世紀以上叫び続け、メシの種にし続ける政権政党は、世界広しといえども珍しい。

 これは日本に蔓延する「やるやるサギ」の一つなのか。他方、憲法を念仏として信仰にまで高め、お布施を募る護憲政党は「坊主丸儲け」の類なのか。マ元帥は大恩人だったのか、ドン・キホーテだったのか。
 改憲派も護憲派も、敗戦期同様、生きることに精一杯の興味ナシ派も、失われ続ける日本に直面したまま、ライジングサンは夕陽のように見えている。

 1951年、マッカーサーはアメリカ議会で証言した。

 「現代文明を基準とするならば、我ら(アングロサクソン)が45歳の年齢に達しているのと比較して、日本人は12歳の少年のようなものだ」と。

 ジャパンはいま、いくつになったのか。

 平均年齢は48.4歳で世界1位だ。女性の平均寿命は87.5歳だ。せめて20歳=成人くらいにはなったと思いたい。

 アメリカの屋根の下に居候している間に世界は変わり続けた。

 そろそろパラサイトシングルを卒業して、一人暮らしをしてみたい。

 新憲法という新居に入りたければ、日本国憲法という重要事項説明書を一言一句、読まねばならない。マ元帥が建造した不沈空母ニッポンは、砲弾一発受けることなく、極東の海に浮かぶ。上空では米軍機が平和を守る。

 

◼︎いまだから叫びたい。がんばれ!ニッポン‼️

幻の1940年東京オリンピックのポスター(写真:パブリック・ドメイン)

 

 その平和あってこそのスポーツだ。
 1940年の東京オリンピックは、キナ臭い空気の中で返上となった。2020-21年の東京オリンピックは、望まれない空気の中で立ち往生している。三度も選ばれながら開催率33.3%となれば、東京は残念な都市として「やれやれ」な歴史に刻まれる。

 いや、いまこそ、いまだから叫びたい。がんばれ!ニッポン‼️

 失われた30年は40年目に入り、就職氷河期も永続化する。 
 若い日本人ほど格差が広がっている。
 マ元帥の遺産の一つとも言える大企業の労働組合は、いまだに「春闘」という珍妙な儀式を続けている。非正規雇用、失業者、無業者は、低所得の階級(アンダークラス)を生成している。生まれと育ちが、そのまま次世代へと受け継がれる。
 自民党議員の34割、閣僚の半分以上が世襲議員となったいま、特権階級も貧困層も、その身分が相続される国になった。

 中国の著しい台頭を予見したマ元帥も想定していなかった日本だ。

 このまま国力は下がる一方で、外貨も稼げなくなれば、愛国者の自己認識すら変わるだろう。益々お先真っ暗な日本人に対して「たたき上げ」が自慢の現首相は、しれっと言う。「最終的には生活保護がある」。

 いや、その原資すらなくなる。

 去る1月20日、46代アメリカ合衆国大統領に就任した「失言王」ジョー・バイデン閣下は、副大統領時の2016年、「日本が核保有国にならないように、我々が憲法を書いた」と言った。ただでさえ誤解に満ちた世界は、日本国憲法になど興味ナシ。

自分の憲法の始末は、自分でつけるしかない。
幸か不幸か、主権はまだ平民ジャパンにある。


 

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猫島 カツヲ

ねこじま かつを

ストリート系社会評論家。ハーバード大学大学院卒業。

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