たった2両の戦車でソ連軍に大損害を与えた、ドイツの「ティーガー・エース」
無敵重戦車ティーガーI戦記 第4回
数日間に及ぶ阿鼻叫喚の激戦の末に
ソ連軍は、タンクデサント(戦車跨乗歩兵)を鈴なりに乗せた多数のT34を先頭に立て、それに徒歩の歩兵が従っていた。すでに頼みの味方歩兵の姿がどこにも見えない中、カリウスとケルシャーは敢然と反撃を開始した。
「正面のT34に徹甲弾をかましてやれ!」
カリウスが咽頭マイクに叫ぶ。
鋭い発射音とともに8.8cm砲のマズルフラッシュが閃く。一瞬ののち、餌食となったT34の車上からタンクデサントが吹き飛ばされ、ガクンと停車すると同時に黒煙を噴き上げた。
隣ではケルシャーのティーガーIが立て続けに2両のT34を撃破。
「通信手、イワンどもを薙ぎ払え!」
カリウスの乗車の車体銃が火を吐き、逃げまどう歩兵や、戦車から脱出した戦車兵を次々とその火網に捉えた。
かくて数日間に及ぶ阿鼻叫喚の激戦の末、カリウスとケルシャーはソ連軍に大損害をあたえ、見事に戦線を守り抜いたのだった・・・・
このように、ここに紹介したカリウスの他にも、武装SSの至宝として著名なミハエル・ヴィットマンを筆頭に、クレメンス・フォン・カゲネックやヘルムート・フーデルといったティーガー・エースが多数活躍している。
ティーガーI。それは「戦車大国ドイツ」が生んだ、第二次大戦最強の「猛虎」であった。
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