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おにぎり型から発光タイプまで。「国道」のレア標識

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第10回:国道標識にもレアがある

国道標識バリアント

 国道標識には変種も存在する。下に示すのは、交差点に設置されるタイプの標識で、その形状から「そとば」と通称される。単独の国道標識には、番号のほかに「国道」「ROUTE」の文字が入っているが、そとばには番号が入っているのみである。また、路線名や愛称が書き込んであるものと、無地のものとがある。

写真を拡大 国道130号にはそとば標識が設置されている

「そとば」は別にレア物ではないが、下に示すような四角いプレート内に国道標識をプリントしたタイプは、間違いなくレア品だ。他の標識では時折こうした変種が見られるが、国道標識では宮城県仙台市と、静岡県静岡市に存在しているのみだ。

写真を拡大 仙台のプレート内おにぎり

 

写真を拡大 静岡のプレート内おにぎり

 もうひとつ、発光する国道標識というものもある。中に蛍光灯が仕込まれていて、夜になると点灯するタイプだ。東京在住の方にはおなじみかもしれないが、実は都心部にしか存在しない珍品だ。

写真を拡大 秋葉原駅付近の発光標識

 

 だがこちらのタイプはもはや製造されていないらしく、どんどん通常の標識に入れ替えられている。最近では反射材の進歩によって、通常の標識でも夜間視認性のよいものが普及しているから、わざわざ蛍光灯などで光らせる必要はなくなっているのだろう。標識の道は一期一会を何度も書いてきたが、これなどもあと数年もすれば消滅するかもしれない。忘れずにゲットしておきたい一品である。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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