いかに「アベノミクス」が役立たずであるか

古賀茂明×望月衣塑子が「独裁者」を斬る！①

政治・経済 2018.02.16

■ビジネス環境ランキング

望月　日本を世界と比較するモノサシには、他にどんなものがありますか？

古賀　世界銀行が出している「ビジネス環境ランキング」も注目して欲しいですね。これは、世界約190カ国において、ビジネス活動における制度的環境を比較評価したものです。「ビジネスのしやすさ」というわけです。安倍政権では2013年にまとめた成長戦略において、このランキングで先進国で世界第３位以内を目指すと具体的な目標まであげていました。

　2017年10月に発表された「2018年ランキング」で日本は第34位、ＯＥＣＤ（経済協力開発機構）高所得国（すなわち先進国）に限定しても第23位です。アジアのシンガポールは日本が絶対に追い付けない２位、韓国は４位、香港は第５位です。アメリカは第６位。ロシアが去年（2016年発表の2017年ランキング）第50位まで迫ってきたと思っていたら、2018年ランキングではすでに35位です。そのぐらい、日本は起業がしにくい。しかも、日本は、2013年と2014年は第15位、2015年は第19位と、安倍政権になってから上がるどころか、下がっています。いかにアベノミクスが役にたっていないかがわかりますよね。　

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古賀茂明×望月衣塑子

こがしげあき×もちづきいそこ

古賀　茂明（こが　しげあき）

1980年東京大学法学部を卒業、通商産業省(現・経済産業省)に入省し、大臣官房会計課法令審査委員、経済産業政策局課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。2011年3月の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故を受け、日本で初めて東京電力の破綻処理策を提起。その後、経産省から退職を勧告され辞職。著書に『日本中枢の狂謀』（講談社）『国家の共謀』（角川新書）他多数。

望月　衣塑子（もちづき　いそこ）

慶應義塾大学法学部卒業、東京新聞に入社。2004年日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑をスクープし、自民党と医療業界の利権構造の闇を暴く。2009年足利事件の再審開始決定をスクープ。東京地裁・高裁担当、経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者。防衛省の武器輸出政策、軍学共同などを取材。森友・加計疑惑で菅官房長官に斬り込み、これを契機に追及が加速し話題を集める。二児の母。趣味は子どもと遊ぶこと。著書に『武器輸出と日本企業』『新聞記者』（角川新書）など。

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