特別な色とリズムが生まれる場所 沖縄のクリエイターに会いたい。【植物採集家の七日間】
「世界のどこかに咲く植物を、あなたの隣に。」連載第3回
ここではないどこかに行きたい。自分ではない誰かになりたい。
憧れや夢という非現実を見ることは、不思議と現実を強く生きる力を与えてくれるものです。
旅で出会った植物と人間の叡智をお届けします。
連載第3回は「特別な色とリズムが生まれる場所。沖縄のクリエイターに会いたい。」
どうして沖縄のクリエイターたちは圧倒的な世界観を表現できるのだろう。その魅力に迫ります。
第3回
特別な色とリズムが生まれる場所 沖縄のクリエイターに会いたい。
– Expanded sensibilities –
■沖縄のクリエイターに会いたい。特別な時間が流れる場所へ
訪問者は物語に変化を作る。私はいつでも訪問者だ。停滞した空気や凝り固まった状況をほぐして風を通し、土地を耕し、水をあげて庭を豊かにしていく。北海道から沖縄までプロジェクトを立ち上げてきた。「毎月、沖縄出張がある。」といえば、羨ましいという声が聞こえる。沖縄は誰にとっても憧れの場所なのだ。
私が沖縄で初めて手掛けたブランド、樂園百貨店。県内唯一のデパートであり、老舗であるリウボウらしさを体現する自社ブランド。誰にとっても「沖縄らしさ」が伝わるようにと、ストレートな表現で樂園百貨店と名付けた。商品企画や買付けのため沖縄在住の作家やショップオーナー達と出会い、海と空以外の魅力に夢中になっていった。
沖縄在住のクリエイターには沖縄出身だが、進学や就職で県外に住んだけれど故郷に戻るケースが多い。口を揃えて「沖縄以外でずっと生きていくイメージが湧かなかった」と言う。移住した人は「いつか沖縄で暮らす」と、長年の決意を形にした人達も少なくない。
今回訪問したのは3組のクリエイター。アパレルブランド作家 touch me not の中嶋さん、アクセサリー作家 churaumi -ukishima accessory lab.- の清水さんと空間デザイナーの小池さん。そしてギャラリー併設、陶器と洋服のお店 miyagiya-bluespot / miyagiya ON THE CORNERの宮城さんだ。やっていることやデザインジャンルなどは違うが、根底に近いものを感じた。
沖縄在住のクリエイターは自分らしい時間軸、特別なリズム、流行に左右されない色彩感覚を持っている。日々溢れる情報に触れていると、自分の軸を見失うことがある。私はそんな時、沖縄の人に会いたくなるのだ。