【85年前の今日、大雪を血に染めて】1936年2月26日、二・二六(ニイニイロク)事件はいま!《昭和と令和の断絶する維新「うっせぇわ」》
平民ジャパン「今日は何の日」:15ニャンめ
◼︎最強米軍に陣取られた帝都では「文春砲」のみ炸裂
国体、統帥権、八紘一宇、昭和維新、国家改造…その意味を述べよと言われても、もう誰も答えられない。軍人勅諭を暗唱する者は、もういない。二・二六から85年、統帥権とともに消滅した軍部は歴史上の化け物となって、曖昧な記憶だけが映像の20世紀に残る。世界5位の軍事力を持っていても、法律でその使用が禁止されている。世界最強の米軍が日本の真ん中に陣どり、ブラックホークが都心低空を飛んでいる限り、二・二六は二度と起きない。
政官汚職と無為無策、やらずぼったくりでカネにモノ言わす世の腐敗、お上の言いなりで世論もでっち上げるメディアの退化は止まらない。もはや咎める者もなく、差別と貧困は蔓延し、階級格差は固定する。パワハラ、セクハラ、モラハラ、虐待、ヘイト、特殊詐欺と、かたちを変えた暴力は静かな日常に潜み、悲しみと怨念は蓄積する。ならば、昭和一桁のおどろおどろしい時代と比べて、いま何がよりマシなのか。
維新という言葉もスッカスカに軽くなった。迷惑系ユーチューバーが令和ジャパンの青年将校だ。中高年の匿名ネット右翼が憂国の烈士だ。狙った獲物のお命頂戴、成敗するならバーチャル、異世界でヤル。二・二六を捻りつぶしたミリタリーエリートが国家をまるごとハイジャックした。世界相手に戦争計画を弄び、兵隊をコマにして消尽した。国民を見殺しにして、国土を焦土と化した。皇国を属国に貶めて、涼しい顔で生き延びた。SFアニメでもシューティングゲームでもない。ついこの間のリアルな日本だ。
二・二六は遠いようでいて、近い。青年将校を育んだ瘴気は再びこの国に満ちている。毒ガスに色はついていない。空気を読んでも自分の臭いには気づかない。自分の顔色は見えていない。白い雪を赤く染めた二・二六は、日本を国防色に塗り替えた。85年後の日本はいま何色だ。凸チューバーやネトウヨは、弱い者を追いかけまわしても、強い者にはケンカを売らない。一見平和な曇り空に文春砲がドカンと放たれ、翌週にはもう忘れられている。
下級兵が非を認めることばだった「忘れました」は、上級国民の責任を阻却する呪文「記憶にございません」となって久しい。
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