宇野常寛が考える転職と副業「0か1かは好きじゃない」
宇野常寛さん3月毎日更新 Q6. 「なぜ自分で会社を立ち上げようと思ったのですか?」
「お金で時間を買う」ことも実践していました
会社を立ち上げようと思ったことは1回もないですよ。法人化したのが数年前で、さすがに規模が大きくなってきたので、法人化しないとまずいだろう、と思ってしただけです。
『PLANETS』は当初、ウェブサイトでやっていましたが、紙の雑誌でも出すことにしました。それは、紙媒体でも出したほうが東京の出版業界の人にアピールできると思ったから。そこで、当時、僕がおもしろいと思っていたブロガーたちにどんどん声をかけて作りましたね。それが結構話題になって、東京の出版社からも原稿依頼をもらうようになります。そのタイミングで、当時勤めていた京都の会社を辞め、東京に出ることを決めました。
転職先の会社では、一言でいうと、会社に隠れて副業をやっていたんです。週5で働いていたんですが、副業の方が忙しくなってきて、時間が足りなくなりました。そこで、副業OKの会社に転職することにします。二度目の転職活動では、PLANETSの活動や雑誌で書いた記事を見せました。ちょうどその時『ゼロ年代の想像力』の連載が書籍化前提で決まっていたので、「僕のスキルと人脈を、御社のこの事業とこの事業に役立つから雇ってくれ」と。その代わり副業を認めてほしいと交渉しました。理解のある会社で、無事に転職できました。
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宇野常寛・著『母性のディストピア』
宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?
宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?
『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。