日本での不人気、強盗殺人、そして引退…悲劇に見舞われた8代目【エアジョーダン秘史(8)】
1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。
第8回は、1993年発売の「AIR JORDAN 8」。
AJ6から採用されたスケルトンフレームを持つ最後のモデル。AJ7譲りのハラチフィットに加え、アッパーにクロスストラップを装備することでサポート性を向上させている。このモデルを履いてMJ(マイケル・ジョーダン)はNBA3連覇を達成するが、その後にショックな出来事が…。
スリーピートの立役者となった
'90年代ハイテク最終進化モデル
AJ8とともにMJ第1期黄金時代が終焉
'93年当時に考えうるハイテクをすべて盛り込んだ、とも言えるのがAJ8だ。アッパーには当時ストリートバスケ用として人気を集めていた〈エアレイド〉のテクノロジーを応用したクロスストラップを装備。シューズの外側はストラップがサポートし、内側はハラチでフィットさせるという手法を採用している。さらに、アウトソールの中央部を大胆に削ぎ落とすことで軽量化も実現している。
また、AJ7ではアフリカをイメージしたデザインパターンが使われたが、このAJ8は派手な幾何学パターンをインナーなどに採用。パイル地のタンにジャンプマンロゴを刺繍し、ヒールサイドにもグラフィティー柄を入れるなど、デザイン的にはストリートカルチャーを意識したものになっている。
ちなみにAJ7の登場とともに最高潮に達した日本のスニーカーブームは、このモデルが登場する頃に終息。オリジナルが発売された当時、日本でのAJ8の人気はイマイチ盛り上がらなかった。また、その過度なハイテクぶりも敬遠される一因となったようだ。
一方、このモデルを履いたMJは、'92-93シーズンのNBAファイナルで親友のチャールズ・バークレイ率いるフェニックス・サンズを下し、スリーピート(3連覇。スリーとリピートを組み合わせた造語)を達成。しかし、そのシーズンオフに父親が強盗殺人に巻き込まれたこともあって、一時バスケットから身を引くことを決める。
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