宇野常寛が評論家になって一番苦労したことは?
宇野常寛さん3月毎日更新 Q8. 「評論家になって、一番苦労したことは?」
やっぱり潰されないことが大事だなと思うんです
人間関係ですね。これは即答できます。評論の世界って、浮世離れしているようで実はものすごく俗悪なムラ社会でもある。ほかと変わらないです。嫌がらせとかイジメもすごく多いですよ。
実際に「宇野は気にくわないから、潰してやれ」と、ネットにいわれのない噂を流して足を引っ張る人もいるし、そんな業界のボスみたいな人のご機嫌を取るために僕に石を投げる人もいる。そして次は自分がターゲットになりたくないから、みんなそんな状況を黙認している。他の業界と同じように、ジャイアンに媚びるスネ夫が多い世界なんですよ。
ここまで続けてきて思うのは、やっぱり潰されないことが大事だなと思うんですよね。そのためには、ちゃんと仕事で結果を出して、嫌がらせに負けないようにすることです。
あとはまあ、ちょっと話は変わりますが業界の飲み会は行かなくなりましたね。震災の後にお酒をやめたんですよ。もともと「飲みニケーション」とか好きじゃないし、欠席裁判と業界政治の温床が「飲み会」だから、もういいかなあ、と思って。一人一人を見ると、そんなに嫌なヤツじゃないんですけど、3人以上集まると、その場にいない人間の悪口を言い出すことってよくあるじゃないですか。だから「業界」じゃなくて「個人」と付き合うようにしていますね。僕はお酒飲まないけれど、おしゃべりは好きなので1対1でじっくり話すようになったかなあ。
メディア業界の人って、「業界人であること」に満足しちゃう人がすごく多いじゃないですか。そういった人間は大したこともできないですし、つまらない。なので、ウチのスタッフにも「飲み会ばっかり行く人間にならないほうがいいよ」って言い聞かせていますね。
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