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宇野常寛が語る執筆のルーティンと情報のインプット法

宇野常寛さん3月毎日更新 Q11. 「文章を書くときのこだわりやルーティン、情報のインプット法はありますか?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

自分で読みたい記事は、自分で作る

 

 僕は意外と朝型なので、作業は午前中にしっかりやっていますね。とにかく、夜はぐっすり寝て、一番元気な時間帯に一気にやっちゃう。作業時間は日によって変わりますが、2時間から4時間くらい。執筆は、自宅で書くか近所のカフェで書いています。事務所も構えていますが、そこではあんまり書き仕事はやらないですね。「執筆時に必ず飲んでいるもの」といったこだわりは特にありません。

 書くことは、昔から好きは好きでした。中学生の時とかは、学校や塾の先生を茶化すようなショートストーリーを紙に書いて授業中にまわし、みんなをクスクス笑わせたりもしていました。そういったメモって普通は一言だけだったりしますが、僕はちょっとしたショートストーリーを書いていましたね。

  とはいっても、疲れているときなどは「今日は書きたくない」という思うこともあります。あと、内容的に詰まっている時もやはり構想から考えないといけない。そういった時は開き直ってひたすらインプットしていますね。

 

 自分が主著となる場合は、専門分野についての主な著作主著を読んでインプットしています。参考資料とかも徹底的に読み込みますね。僕は扱っているジャンルや語っているジャンルがすごく広いのですが、主なインプット元は僕が10年間、自ら手がけてやっているPLANETSですね。

 僕はある時期から自分が読みたい記事は、他人の仕事に文句言っていないで自分がスタッフを雇って、取材先に謝礼を払って、自分で作っていく。そうやって10年間作り続けてきていると、自然とネタも集まってくるんです。なので、毎朝ニュースをチェックすることもしませんし、新聞もとったことがない。テレビニュースも一切見ません。まあ、友人のFacebookをたまに参考にしたりすることはありますけどね。

〈明日の質問は…… Q12.「自分でメディアを立ち上げようと思ったきっかけは?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26