子供の頃家にあった「黒電話」はいつ消えた?
30年間で通信機器はこんなに変わった〈前編〉
■30年前、ファクシミリは時代の最先端のアイテムだった
ファクシミリが商用の通信機器として登場したのは1964年で、1980年代から2000年代にかけて一気に普及率が高まった。ちょうど30年前はファクシミリが普及し始めだったようだ。情報通信白書によると、1988年9月末におけるNTTのファクシミリ通信網サービスの契約数は、前年同期比で71.1%増と急増している。
1988年に、村田機械が業界初の10万円を切るファクシミリ「M-1」を発売するなど、低価格化がすすみ、これまでは作家や翻訳家といった一部の専門職のアイテムだったファクシミリが企業や一般ビジネスマンにも普及していく。
電話を使うより、長距離通信料金が割安になるというメリットがあり、また利用可能な原稿のサイズがA4判からB4判に拡大し、一挙に利便性が向上したことも背景にあったようだ。
今主流になっているファクシミリは、固定電話機との一体型だ。固定電話同様に限定着信機能のものや迷惑防止機能などを備えている。また、SD カードに対応したものや、受信した内容を紙に印刷せずディスプレイに表示する「ペーパーレス機能」なども人気になっている。
形状はやや大きな固定電話機といった具合で、一般的な固定電話よりも横幅が広い製品が主流。SOHOや高齢者の利用を想定している製品が増えている印象だ。
後編では「携帯電話」の30年を振り返る。
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