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「お金や計算に強い」が取り柄の銀行員は生き残れない

【銀行消滅】を岡内幸策氏が徹底解説3/3

今さら聞けないニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」イマドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます。

■コミュ力を高め、機械が不得意とする分野に活路を見出せ!

田中光さんのシュール4コマ編も公開!

シズカ…それにしても銀行員ってかわいそう。せっかくエリート街道を歩んできたのに人員整理されるなんて。生き残る方法ってないんですか?

岡内(幸策:『銀行員大失職』著者)AIやブロックチェーン技術と競い合おうなどとは思わないことです。しかし、逆にいえば、AIが不得意とする分野、人間同士のコミュニケーションは銀行員の業務として残っていくと思います。銀行員が今後生き残るためには、自分でお客さんを探し、うまくコミュニケーションを重ね、商品を売りに行ける力が必要になるでしょう。

トオル…自分でお客さんを探すって、まるで営業マンみたいですね。

岡内…私が銀行員だった時代は、それが当たり前でした。自分の足で地域を回って飛び込み、自分からガンガン売り込みに行っていた。だから、銀行員というものは「自分だけの情報」をたくさん持っていたし、それが強みだったんです。そして最近は銀行員の知識不足も顕著です。私は銀行員時代、新しい分野に対する勉強を率先してやっていたので、成績は同期トップでした。33歳で年収は軽~く1000万円を超え、イケイケでしたね(笑)。

トオル…岡内先生にそんな時代が!?

岡内…情報量を増やすためには顧客との接触をいかに広げていくかが重要です。で、そのためにすべきことは、たとえば趣味をたくさん持つということだっていいんです。ネットからの情報を鵜呑みにするのは危険です。

シズカ…それだけで顧客との会話に役立ちますものね。

岡内…そうして得た情報を使って自分で保険商品をカスタムし、個々に売り込めるぐらいの積極性があるといいでしょうね。顧客のニーズはそれぞれ異なるので、基本はオーダーメイドにすべきなんですよ。セット商品にしか対応できない人や組織は伸びしろがない。

トオル…そこを磨けばコンピューターに勝てる?

岡内…マーケット情報や他社比較など、データ量ではコンピューターには勝てないでしょう。しかし、もっと感情的な部分、感性が必要な判断を人間が補うことはできるはずです。

シズカ…銀行員が生き残る方法って、意外とアナログな部分なんですね。

岡内…結局、大切なのは基本ということです。また、世の中の流れを見ると、銀行員にもこの先、副業が認められていくと思います。副業に活路を見出すのもひとつの方法かもしれません。新たな情報や人脈にも繋がるでしょうし。

 
次のページ出向という制度もあるが…

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岡内 幸策

おかうち こうさく

ディー・ディー・マイスター代表取締役社長。1956年生まれ。神戸大学法学部卒。富士銀行(現みずほ銀行)を経て、不動産証券化・REITの資産評価、担保資産等の価値評価、コンサルティングを行うディー・ディー・マイスター(株)を設立。『証券化入門』『デキる銀行員は数字を超える』『不動産ファンド 危機の構図』(いずれも日本経済新聞出版社)ほか著書多数。


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  • 2017.06.01