【2040年のモノ】銀行が現金お断り!スウェーデンの仰天「キャッシュレス事情」
2040年の「お金」を想像してみる〈前編〉
■実は日本も「電子マネー大国」
「現在、経済産業省でキャッシュレス化の研究会が開かれています。しかし、『何を使ってキャッシュレス化するか』はまだ決め兼ねているようですね。経産省は傘下のクレジットカード業界を中心に進めたい雰囲気ですが、クレジットカードは他の決済方法に比べてハードルが少し高めです。例えば、手数料が高く、また読み込みの時間もかかってしまう。ですから、私は“電子マネー”をさらに普及させるのが良いと思っています。手数料も割安ですし、決済にかかる時間も0.2秒程度と早い。Suicaなどの交通系電子マネーのインフラはかなり整備されています。すでに日本は世界でも類を見ないほどの「電子マネー大国」となっているのです。『楽天Edy』や『WAON』『nanaco』など、これほど多くの種類の電子マネーが幅広く使われている国は珍しく、これを活用しない手はありません」
確かに電子マネーによる決済は、すでにかなり一般的になっている。しかし、例えば居酒屋で割り勘をする際など、個人間のお金のやり取りまではカバーできていない。その点、スウェーデンで実用されているスマホ決済アプリは一歩先を行っている。
「『Swish』(スウィッシュ)というアプリです。これはスウェーデンにある6つの主要銀行が共同で開発した“相手の携帯電話番号を使って送金ができる”というサービスです。このサービスは国民の6割以上が使っており、若い人はほぼ全員が利用しています。家族での家計費のやり取りや個人間での割り勘などにとても便利です。Swishの普及により、個人間で現金で支払おうとすると『No』と言われるそうです。そして『Swish me』(Swishで払ってくれ)と言われるんですよ」
後編に続く。