「自分の心に“師匠”を持て!」これが自分を変える最強の秘訣。
久瑠あさ美のメンタルトレーニング実況中継【第13回】
各界の著名人から企業セミナーまで絶大な信頼を寄せられているメンタルトレーナー・久瑠あさ美さん。
そのトレーニングの極意を、実況中継動画で初公開しているのが本連載。
この先のあなたの人生においても、自分を好転させるヒントが見つかるかもしれません。
「自分が憧れる人物になれる方法」を今回は指南していただきます。
「今の自分を潜在意識につなぐワーク」にその秘訣があるとのこと。どうぞお見逃しなく。
まずは以下の動画を視聴してみてください。
これまでの連載では、本連載編集の鈴木さん、ディレクターの甲斐荘さんに「潜在的な自分」を探求する2つのトレーニングに取り組んでもらい、仕事に関わるご自身のマインドと向き合ってもらいました。
今回からさらに最後の「潜在意識とつなぐワーク」に取り組んでいきます。
このワークでは、
1、自分が思いつく最高レベルの人物を思い描いて、
2、その人物が自分を感動させてくれるエピソードを15個書きだします。
今回は鈴木さんのワークの結果を講評していきます。本連載をご覧の皆さんも、ぜひご自身で挑戦してみてください。
■人間の光と影に憧れて
久瑠:自分が何にワクワクするのか、何にドキドキするのかということは、究極的には自分にしか分かりません。今回のワークではそれを存分に書きだしてもらいましたが、この15個書いてもらった中で、鈴木さんご自身が「これはもうたまらない」と思う世界観、「こうなりたい!」と心を揺さぶられた生き様はどれでしたか?
鈴木:私のワークに2回出てきているんですが、頭山満という玄洋社の総帥・右翼の巨頭です。
あんまり私は公言していないんですけれど、座右の書に頭山満の盟友だった杉山茂丸によって書かれた『百魔』という分厚い本があるんですね。この本に出てくる人々はみな生命力に溢れていて、「本当に生き抜いている」といった体で自分の人生を蕩尽している姿が、じつにとても魅力的なんです。
例えば企業なら、事業存続のために利益が必要なのは当然です。でも何かしら「自分はこうありたい」とか「企業としてこうあるべき」というものがないと、本当の意味で「自分を生きていく」ことにはならない。「食っているだけでは人間、生きていること」にはけっしてならないって、この本を読むうちに思えてくるんですね。
彼らの時代・立場で言うと、頭山は明治から昭和までを駆け抜けた人です。これからこの国(日本)がどうなってしまうか分からない。その時に、自分たちこそが立て直すんだ。どういう国づくりをしていったらいいのか、攻め入ってくる列強からどうやって日本を守っていくのか……そういうことを真剣に考えていた人たちです。
この頼りない政治家たちに任せていたら、いわゆる売国奴が日本を売っていってしまうのと同じだ。もはやそういう事態になった時に、「これは殺さなきゃいけない」「テロだ」というところへとどんどん突っ走っていく。
このエネルギーの原動力、そして発散力を感受するとですね、もう血湧き肉躍る感じがしてたまらない。元気がない時なんかに何度も読み返してしまったりする本なんです。
この頭山満、そして著者の杉山茂丸という人物は政界の黒幕・フィクサーでして、決して清い人間ではない。むしろ清濁合わせ呑んで現実を乗り越えていこうとする人間。そういう「人間の光と影」を兼ね備えた人物に対して、僕はすごく憧れがあるし、魅力に思う。現実というのは一つの正義だけではやっていけない。もしやっていけると思うならそれは幼稚というものです。じっさいにはいろいろな立場の人間がさまざまな正義もって生きている。その中でバランスを取って生き抜く人間への憧れが私にはあります。
一方で、宮武外骨とか南方熊楠のような真の教養人、森羅万象に精通し没頭する研究者にも憧れたりするわけです。
僕のような中途半端な人間は、両方に憧れて結局どっちにもなれない。それが現実。今回のワークを進める中で、私はそんなことを考えました。
POINT
今回のワークは、無我夢中で語りはじめた鈴木さんの無意識にある世界観があふれ始め、今まさに鈴木さんの「いかに生きるのか」=生き様が表れてきました。