「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。
シンプルなものが好きなんです
こだわりは特にないです。髪型も毎日セットするのがめんどうなので、何回かスポーツ刈りにしようとしたくらいですから。まあ、その度に周囲から「似合わないからやめたほうがいい」とバッシングを受けてしまったので、今ぐらいの長さにしている感じですね。
テレビなどに出る時には毎回黒のスーツを着ていますが、あれもめんどくさいから。それに加えて、これは世代的な問題があるのかもしれないですけど、僕は「バブルっぽいのがみっともない」って思っちゃうんですよね、なんというか、「俺、金持ちだよ」みたいな格好している人たちに対して「バカじゃないの?」っていう思いがどうしてもある。一言で言うと、ラグジュアリーなものが嫌いでシンプルなものが好きなんですよ。なので、いくらお金を持ってもそういう服装をするつもりは一切ないですね。
これは昔からそういう考えでした。だってみっともないでしょ。時々、昔のバブルの頃のセンスが残っているオフィスビルとか行くことがあるんですよ。で、1階がバブリーなラグジュアリー感溢れる受付で、化粧の濃いOLが受付をやってるような会社だったりすると、「ああ、この会社ダメだな」と思ってしまいますね。
ちなみに、事務所は長い間高田馬場に構えていますが、別に高田馬場という街にこだわりはないです。もともと高校の同級生が早稲田大学に通っていて、僕が京都から東京に来るたびに彼の下宿に転がりこんでいたんですよ。その後、京都から上京することになったんですが、知らない街に住むのがちょっと嫌だったんです。その点、高田馬場は都内でも勝手知ったる街だったので、ここに決めました。で、そのまま今に至るっていうだけです。
まあ、高田馬場にこだわりもないので、突然引っ越すかもしれませんけどね。
〈明日の質問は…… Q17.「どんなことにお金を使いますか?」です。〉
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宇野常寛・著『母性のディストピア』
宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?
宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?
『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。