20年前の「プリウス」を覚えていますか?
30年間で「自動車」はこんなに変わった〈前編〉
特集「2040年のモノ」。かつて「3C」と言われ、現代でも移動手段としては欠かすことのできない自動車。過去から現在に至るまで、どんな進化を遂げてきたか。ここでは「新成人が欲しい車」第1位に輝いた「プリウス」に絞って見ていく。
■海外セレブをも虜にする、世界初の量産型ハイブリットカー
レオナルド・ディカプリオ、キャメロン・ディアス、ジュリア・ロバーツ、オーランド・ブルーム、グウィネス・パルトロウ、そうそうたるセレブたちが揃って所有していたクルマは何でしょう? フェラーリ、メルセデス、それともポルシェ?
答えはトヨタのプリウス。ガソリンエンジンとモーターを搭載することで燃費を大幅に向上させた、世界初の量産型ハイブリットカーだ。プリウスは技術的なブレイクスルーを成し遂げただけではなく、持つ人のライフスタイルを象徴する、道具以上の存在となったエポックメイキングなクルマだ。スポーツカーの過剰な性能やプレミアムカーのラグジュアリーさよりも、環境に対する高い意識こそクール。そんな現代の価値観がプリウスを特別な存在にした。だからこそ、セレブはこぞってプリウスを愛車にしたのだ。ここで、プリウスの歴史を簡単に振り返っておこう。
プリウスがはじめてお目見えしたのは1995年のこと。第31回モーターショーにコンセプトカーが出展されたのだ。ガソリンエンジン車にくらべ、燃費を2倍にするという目標の元、トヨタが採用したのが、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド方式だった。コンセプトモデルでは直噴1.5Lガソリンエンジンに電気モーターを搭載し、30km/l(10・15モード走行)という燃費を実現するとされ、この数字は同クラスのガソリンエンジンより2倍の燃費を実現する野心的なものだった。