【2040年のモノ】自動運転車社会におけるメリット
2040年の「自動車」を想像してみる〈前編〉
──そういえば、中国では電化を進める上で原子力発電に傾倒しているとか。
松田:2030年までに今より100基以上、原発を稼働させるそうですね。もし万が一のことがあったら、そりゃあ大変なことになる可能性も秘めている。
──ひとつ間違うとデストピアな未来が待っていると。
松田:だから今の30代の人たちは大変です。僕らの世代はユートピアを描けて、そのまま実現できて来た世代だったと思うんですよ。でも今は違うでしょう。
――経済ひとつとっても、限りある仕事、お金を奪い合う世界になりつつありますからね。なにより日本の自動車業界が崩壊してしまったら、クルマを楽しむ、なんて以前に考えることがいっぱいな未来になっているような感じもします。
松田:確かに貧富の差は拡大して、ヒエラルキー社会になってきていますよね。でもね、どこまで行ったって基本は資本主義なんだから、みんなが楽しくてお金を出したいというクルマを作れば、そこには確実にマーケットができる。人の心に訴えるクルマができれば、それを楽しむ土壌もできているような気もします。
──さて最後に、空飛ぶクルマの実現度ですが。
松田:「スーパージェッター」の世界ですね。その前に「スーパーカー」ってサンダーバードのジェリー・アンダーソンが手がけたスーパーマリオネーションがありましたよね(笑)。
──宙に浮く自動車は現実に実現していますよね。でも、飛行機のニアミスって一般に半径150m以内という距離ですよね。自動車の現代の交通密度じゃ150m以上の車間距離は現実的じゃないですよね。
松田:リニアモーターカーみたいにちょっと浮けばいいかな? でもやはり宙に浮いていたら止まれないか。ダメですね(笑)。