「どこでもドア」が市販化されたら、いくらで買う?
30代~40代男女500人に聞いた「実現してほしいドラえもんのひみつ道具」
■実は意外に現実になっている「ひみつ道具」たち
さて、2040年までにドラえもんの「ひみつ道具」はどこまで現実になるのか? そして2040年以降、少なくとも僕らが生きている間に「どこでもドア」「タイムマシン」「もしもボックス」は開発されるのかーー?
まず、2040年までの現実化という点で有名なのが、富士ゼロックスが中心となり進めている『四次元ポケットプロジェクト』。さまざまな企業が持つ技術を結集する形で、ドラえもんのひみつ道具を本当に作ろうというプロジェクト。これまでに、コンピューターが一緒に将棋を指してくれる『セルフ将棋』、遠くの人声や音を届けることができる『望遠メガフォン』、部屋全体に風景の立体映像を映し出せる『室内旅行機』の3つを現実化。2015年を最後に新しいひみつ道具の更新は止まっているが、実は水面下で開発中、という企業はきっと少なくないだろう。
また、ひと口にドラえもんのひみつ道具といっても確認されるだけで軽く2,000を超える数があり(「ドラえもん学」として学術的研究で知られる富山大学名誉教授の横山泰行氏をはじめ、諸説ある)、すでに実現し、市販化されているものは結構多い。例えば、「うそ発見器」などは簡易的なものであればバラエティグッズとしても販売されているし、「降雪機」は冬季オリンピックなどでも使われているなど、この辺りは2018年時点でさほど「ひみつ道具」感は感じない。そして、インターネットとVR(バーチャルリアリティ)が、私たちが日常で使うガジェットをことごとく「ひみつ道具」化している現状がある。有名なところでいくと、「宇宙完全大百科」はスマホのGoogle検索で世界中のありとあらゆる情報を習得できるし、絵本の中に入れる「絵本入り込みぐつ」はVRでゲームを楽しんでいるのと同義だ。この10年でのこれらの普及ぶりを考えると、案外驚くべきスピードでドラえもんの世界は、かなり近いところまでやってくるかもしれない。
しかし、あくまで「近いところまで」であり、「完全」ではない。それは次の議題、「果たして生きている間に購入したい道具トップ3は現実になるのか」というところで、大きな理論上の壁にぶち当たるからだ。