防水時計で温泉に入るのはアリ? ナシ? 紛らわしい時計のメンテ俗説9選
【腕時計のメンテナンス基礎講座(1)】毎日のメンテから困ったときの対処まで、どこよりも分かりやすく解説!
精密機械である時計には、こまめなお手入れが不可欠。そこで、ケアの頻度や難易度ごとに応じて、毎日のメンテナンスから困ったときの対処法までを徹底解説する基礎講座をここに開設!
第1回は「ちゃんと知ってる? 時計のOK⇆NGの境界線」。
大丈夫だと思っていたことがダメだったり、逆に意外なものがメンテナンスに役立ったり。そんな正誤の判断を間違えがちな、紛らわしいメンテの俗説9選について、
俗説 1
防水時計なんだから、海やプールに
入っても自然乾燥で大丈夫。
→間違い! 塩分や雑菌が入ると劣化や異臭の原因に!
塩分はステンレスの表面の不動態皮膜を壊す作用があり、プールでも雑菌や消毒剤が時計に付着する。それらを放置すれば、サビと不衛生の原因に。真水にさっと時計を通して、表面を拭えば、悪影響の出る成分は十分に落とすことができる。また「温泉に入る」「高温のお湯に触れる」「リューズが開いた状態で使う」などの行為もいずれも内部機構に水が浸入し、故障の原因になる可能性がある。これらは避けた方が吉。
そもそも、防水時計はあくまで「防水」でしかない。日常生活レベルを越えた、長時間水に浸かることを想定したものは潜水時計となる。これは耐用の水深も100~1000mと種類により幅広く存在する。
俗説 2
シルバーケースやブレスの汚れは
市販の消しゴムできれいになる
→正解! プラスチック製の消しゴムは有効。
クロスで磨いても落ちない汚れも諦めてはいけない。消しゴムで表面を軽くこするだけで、意外と簡単に汚れが落ちる。
俗説 3
夜中に日付を直すと、時計が壊れやすい
→一理ある! 午後8時〜午前4時は動かさないほうがいい
多くのデイト付きの機械式時計は、上記の時間帯部分に、日付のディスクの歯とそれを送る歯車とが絡んでいて、機構に余分な負荷がかかってしまう。そこへリューズ操作で力を加えると歯車が折れることも。
俗説 4
クォーツ時計を長時間使わないなら
電池を抜いておくと良い
→一理ある! 放置すると液漏れた膨張して危険!
電池が切れた状態で放置することで、内部でガスが発生し膨張する危険性が。それにより内部にある電解液が染み出る、いわゆる「液漏れ」状態に陥る恐れがある。長期間の保管には、プロや専門店に依頼して電池を抜いてもらおう。