「絶望的な状況」から這い上がった世界トップ10大学とは？
世界の名門大学「ペンシルベニア大学」【傾向編】
■学校建設が頓挫…「絶望的な状況」から這い上がった
ペンシルベニア大学はアメリカ合衆国内で最も古い高等教育機関の一つです。初めて学部、大学院教育の両方を提供した学校でもあります。1740年、有名な伝道者であったゴージ・ホワイトフィールドは、教会の役割も担うフィラデルフィア慈善学校の創設を計画していました。しかしホワイトフィールドは、建設の途中にもかかわらず、計画にお金がかかりすぎることから、建設を途中で投げ出してしまいます。その約10年後の1749年、創設者の一人であるベンジャミン・フランクリンは「青少年教育への提言」という論文を執筆します。この論文がフィラデルフィアの指導者に感銘を与えることになります。管財人から成る一団は未完成だった校舎を買い上げ、当時としては数少ないリベラルアーツプログラムを設立しました。このようにして絶望的な状況から大学は誕生したのです。
ベンジャミン・フランクリンは非常に革新的でした.。その姿勢は同大学が成し遂げた多くの前代未踏の偉業に反映されています。例えば、アメリカで最初の学生連合は同大学で誕生しましたし、今では珍しくない２階建てサッカースタジアムも同大学で最初に生まれました。また、1881年に設立されたペンシルベニア大学ウォートンスクールも、世界初のビジネススクールでした。その他にも世界初の大規模多目的コンピューターやアイビーリーグ初の女性学長など、様々な「世界初」があるのです。
ペンシルベニア大学の紋章はスクールカラーである青と赤からなり、校訓である"Leges sine moribus vanae"（道徳を欠く法は無益である）という言葉が書かれています。ある伝説によると、このスクールカラーは1800年代末期にペンシルベニア大学、ハーバード大学、そしてイェール大学が参加した陸上競技大会が起源であるとされています。チームの色を聞かれた同大学のチームキャプテンは、打ち負かした相手チームのカラー（ハーバードの赤、イェールの青）が自分たちのチームの色であると答えたそうです。ここでペンシルベニア大学のチームがそれら他校に勝利を収めたこともこの伝説から分かります。
