宇野常寛が現役大学生たちに贈るメッセージ
宇野常寛さん3月毎日更新 Q22. 「今の大学生に感じることは?②」
大学生なら、もっと好きなことをすればいい
僕は大学で講師もしていますが、今の大学生たちに教えていて思うのが、「大学生のコスプレをしているような大学生」が多すぎるということ。本気でそれを楽しいと思っているわけではないけども、「大学生ってそんなもんだろう」と思って過ごしているということですね。本当は「授業なんて単位さえ取れればいい」と思っているのに、とりあえず授業には真面目に行く。そこまで楽しいわけじゃないのに、メインの人間関係が学校内にしかないからサークルに行っている。あとは「大学生だから何かアルバイトしなきゃ」と思って、そんなに興味がないアルバイトで働いている。
授業とサークルとアルバイトの三角形をぐるぐるとまわりながら4年間を過ごしている感じですよね。そういう大学生のコスプレをして4年間過ごすことで納得しているならいいですけど、あとから後悔している人が多いように見えますね。実際に「大学生活は思っていたほど楽しくなかった」と言う学生が、特に就活前なんかではすごく多いじゃないですか。
特に僕が教えているような私立大学の文系学部なんて、大学4年間で自由な時間を作ろうと思ったらいくらでも作れますよね。だから、もっと好きなことをすればいいと思うんですよ。
ちなみに、前の質問でも答えましたけど、僕の大学生時代は、部屋にこもって昔のアニメや映画、ドラマを見まくっていました。「ケーブルテレビが引かれている」という理由で下宿先を決めたほどですからね。要領はいいほうなので、ちゃんと単位を取りつつ、見たいものを見て、読みたい本を読んでいましたね。
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