宇野常寛が「やっておけばよかった」こと、「やらなくてよかった」こと。
宇野常寛さん3月毎日更新 Q25. 「「やっておけばよかった」と思うことはありますか?」
前者は資産運用。後者は業界の飲み会に顔を出すこと。
う~ん、資産運用ですかね……。これまでは銀行口座へ適当に預金を突っ込んでいるだけでした。もし、昔からきちんと運用していたら、今後の人生がもっとセーフティーになったかなとは今でも思いますね。会社の経営も多少は楽になったでしょうし。そういったことに加えて、投資の経験を積むことで勉強にもなったり、知識も増えたでしょうし。
ただ、そうやって「やっておけばよかった」と思う一方で、どうしても興味がわかなかったのもあるんですよ。最近流行りの仮想通貨に関しても、興味がないわけじゃない。むしろ、社会にどんな影響をもたらすのか、どんな変化を起こすのかという視点では気になりますが、あんまり乗り気にならないのも事実です。じゃあ今からやるのかといえば、忙しくて手が回らないですしね。こうやって、「資産運用は積極的にやった方がいいんだろうなあ」とぼんやりと思いつつ、毎日が過ぎていっている感じですね。
反対に、「やらないほうがよかった」と思うのは、業界の飲み会に顔を出すこと。この業界の人たちは、酒の席で業界っぽい話をして、大した仕事もしてないのにグチグチ言うようなヤツが多いんですよ。そして、そういうヤツらがこの世界を凄くつまらなくしている。呼ばれたら昔は我慢して飲み会に出ていましたけど、もう無理してまで行くことはやめました。得るものが、あまりにも何もなかったので。
KEYWORDS:
\大好評発売中!/
宇野常寛・著『母性のディストピア』
宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?
宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?
『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。