宇野常寛 最新刊『母性のディストピア』と前作『リトル・ピープルの時代』の違い。
宇野常寛さん3月毎日更新 Q28. 「『母性のディストピア』が発売されて、周りからの反応は?②」
「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。
自主メディアを中心にコツコツやってきた成果だと思っています
『母性のディストピア』が読者から悪い評判を全然聞かず、結構売れているなかで、既存のメディアからはその存在が完璧に無視されていますね。例えば、大手の新聞書評とかにも全然掲載されていないですね。『リトル・ピープルの時代』を発売したときには、たぶん新聞書評が全社から出ていたんですよ。話題性でいったら『リトル・ピープルの時代』よりも『母性のディストピア』の方は読者レベルでは話題になっていますし、売上の初速も上回っていると思います。それでも業界からの反応は全然なかったですね。
なのによくここまで売れているなと思います。たぶん、この数年で僕の読者は相当入れ替わっているんでしょうね。
それって結構いいことなのかなと思ったりもしています。新しい読者を開拓することがここ数年の僕の課題で、それを自主メディアを中心にコツコツやってきた成果だと思っています。
〈明日の質問は…… Q29.「デビュー作『ゼロ年代の想像力』から10年、今振り返ると?」です。〉
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宇野常寛・著『母性のディストピア』
宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?
宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?
『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。