チューハイを選ぶ若者。「ビールにしとけよ」怒るオジサン
30年間で「嗜好品」はこんなに変わった〈前編〉
特集「2040年のモノ」。人それぞれ趣味趣向があれども、最も身近な嗜好品の御三家といえば「タバコ」「お酒」「コーヒー」。今回はこの3つの嗜好品の変遷を探ってみる。〈前後編〉
■30年前。オジサンが若い頃は、みんなタバコを吸っていた
まずはタバコから。昔のドラマを見直すと、驚くべきシーンに出くわす。劇中でとにかくタバコを吸いまくるのである。
例えば1996年に放映されたドラマ『ビーチボーイズ』。こともあろうか17歳の役を演じる広末涼子を助手席に乗せた反町隆史が車でタバコを堂々と吸い始めるのだ。実は現在のように分煙が徹底されはじめたのは、ここ10年のこと。
日本専売公社、日本たばこ産業株式会社による調査の結果を見てみよう。今でこそ、成人男性の喫煙率は28.2%と少数派になっているが、30年前、1988年度の成人男性の喫煙率は61.2%と圧倒的な多数派なのだ(ちなみに『ビーチボーイズ』が放映された1996年度の成人男性喫煙率は57.5%)。お茶の間で見られるドラマで喫煙シーンが放映されようが、クレームが来るようなことはなかったのだ。