アニメの舞台だけが「聖地」ではない! 小説の「聖地巡礼」のすすめ
アニメだけではない! 日本各地に点在する「聖地」へGO!
「聖地巡礼」といえばアニメ作品の舞台だが……
聖地巡礼とは本来、宗教的な意味合いを持つ言葉である。イスラム教徒は、一度は聖地であるメッカを訪れることが義務とされ、とても重要視されているという。日本では、四国八十八ヶ所霊場はお遍路さんにとっての聖地巡礼といえないだろうか。特定の宗教を厚く信仰する人が少ないからか、聖地巡礼という言葉はひと昔前まであまり一般的ではなかったかもしれない。
しかし近年では、この言葉がたびたび使われるようになる。それは、アニメやドラマなどの舞台になった場所へ、ファンが訪れることを表すようになったからだ。観光の目玉としてプッシュされることも多い。
なかでも埼玉県は、アニメの聖地が多数あるといわれている。美水かがみによる4コマ漫画『らき☆すた』の舞台は春日部だが、作品に登場する鷹宮神社は、久喜市の鷲宮神社がモデルだという。ピークは過ぎたものの、いまでもファンが訪れ、町おこしに役立っている。
春日部といえば、アニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台としても知られている。市も同作を盛り上がるかのように、2004年には市制施行50周年を記念してしんちゃんを含めた野原家のメンバーを特別住民登録した。さらに2017年12月~翌1月には、イトーヨーカドー春日部店が作中に登場する「サトーココノカドー」に。イトーヨーカドーといえば鳩の看板が印象的だが、期間中は作品と同じコウモリマークが登場して話題となった。
こうしたコラボレーションはファンにはたまらず、思わず足を運びたくなるものだ。そのうえ、作品に登場する風景が実際に見られるのだから、イベントがなくても訪れたくなるだろう。新たな町おこしとして注目されるのもうなずける。
アニメやマンガの場合、風景などがビジュアルで示されているので、聖地を訪れたときに「作品と同じだ!」という感動を味わいやすい。対して、小説の場合はどうだろうか。文字で表現されているので、それぞれにイメージする世界が異なるだろう。
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