フレームによって“空間”を創り出す眼鏡
眼鏡を“ファッションの小道具”と捉えている人は少なくない。確かに、服とコーディネートすることで顔立ちを引き締めたり、逆に優しい印象を与えたりする効果もあるアイテムであるのだが……。しかし、眼鏡は「視力矯正器具」であることは間違いなく、眼鏡ブランドのほとんどはそのように明言しているのだ。そこでこの連載では、ファッション性だけでなく、「景色や文字がよく見える」「掛け心地が良い」といった機能性を優先して、一個人編集部が厳選した眼鏡を紹介したい。特に、若い頃とは違った目の悩みが気になるシニア世代向けを中心に、バリバリの働き盛りの40歳代向けも合わせて、国内外の眼鏡ブランドの逸品をお薦めする!
VOL.3 革新的構造〈ヒンジレス〉を生んだ「spec espace(スペックエスパス)」
「フレームによって空間を創り出す眼鏡」をコンセプトに、2001年にスタート。“空間・宇宙などの構造・性能”を意味するブランド名を象徴するのが、近未来的な立体的デザインが印象的なヒンジレスフレームだ。シート状のチタンで構成されたフレームは、見た目の斬新さもさることながら、世界に誇る眼鏡の生産地=福井県鯖江市の熟練の職人が作り出す極上の掛け心地で多くの眼鏡ファンを魅了している。 ●お問い合わせ/オプト.デュオ☎︎0778-65-2374 https://www.optduo.co.jp
あらゆるシーンに対応するヒンジレスブロー[ES-2063] 38,000円
そもそもspec espaceの「espace」は、フランス語で「空間」という意味の単語。空間=立体的な造形や、そこから見える眼鏡的な空間をイメージしている。そんなブランドコンセプトを端的に表しているのが、このヒンジレスブローの[ES-2063]だろう。複数のシート状βチタンを組み合わせたヒンジレスフレームは、レンズ周りに干渉しないおかげでスペックエスパス特有の立体的な造形が際立つのだ。
初めてこの眼鏡を見た人は、「こんな細くてカーブしたフレームが、ちゃんと顔に掛けられるの?」と心配するかもしれない。しかし、実際に掛けてみるとそれは杞憂に終わる! スペックエスパスのヒンジレスフレームは軽く、絶妙なホールド感があり、スポーツなどで激しく動いてもズレないのだ。とは言え、シャープな顔立ちを演出するブロータイプは、ぜひともビジネスシーンに合わせたい(スポーツシーンでも全然大丈夫だが)。
また、フレームなかほどの内側にあるフックに、テンプルエンドを引っ掛ければ、コンパクトに収納できるのも嬉しい。
ボストンシェイプが知的な印象を与える[ES-2073] 40,000円
スペックエスパスのヒンジレスフレームは、かなり角度のあるカーブを描いた流線的なフォルムが特徴だ。しかし、レンズ装着部はフレームとは独立しているので、カーブの掛かり方が緩くなっている。つまり、度付きレンズに対応した設計になっているというワケだ(急角度でカーブしているレンズは特殊なので、作るのに手間もお金もかかる)。おかげで、この[ES-2073]のようなオーソドックスなボストンシェイプも、すっきりと仕上がるのである。
チタンのシートにアセテートリムをはめ込んだコンビネーションフレームは、2色のグラデーションがとても綺麗で、知的で優しい印象を与えてくれるのが魅力だ。テレワークや読書など、室内でリラックスして過ごしたい時に、この[ES-2073]が似合う。
ファッショナブルなシニアにはヒンジレスウエリントンの[ES-1975] 38,000円
前出の[ES-2073]と同様、この[ES-1975]も大きくカーブしたヒンジレスフレームとレンズ装着部が独立しているため、ウエリントンタイプのフロントにも度付きレンズがしっくりとはまる。やや大きめのウエリントンだが、軽量で強靭性のある特殊ナイロン系樹脂とチタンを組み合わせているので、非常に軽く、快適な掛け心地を実現している。
それにしても他メーカーも「掛け心地」を追求しているのに、なぜスペックエスパスの掛け心地を多くの眼鏡ファンが「特別!」と言い切るのだろうか? それはフレキシブルなフレームが、キツくもなく緩くもない絶妙な力加減でホールドするからだ。それが“βチタンの妙”であり、βチタンを扱うことに長けたスペックエスパスの技なのだ。
こうした優れた機能性は素材や設計によるところもあるが、日本が世界に誇る眼鏡の生産地=福井県鯖江の職人たちの高度な技術の賜(たまもの)でもある。スペックエスパスの眼鏡は、熟練の職人が1本1本丁寧に作り上げているのだ。だから、手で触れたり実際に掛けたりした時にタッチがとても優しく、そして掛け心地が良好なのだ。しかも、全体のフォルムや色合いが美しいのである。
デミ柄が美しいウエリントンはキリッとしたスーツはもちろん、カジュアルなジャケパンにも似合うので、お洒落にキメたい時はこの[ES-1975]を選ぼう。
[ES-1991]がシニアのスポーツシーンをサポートする! 38,000円
コロナ禍で室内生活を余儀なくされる今日この頃、眼鏡の“新しい掛け方”が見直されている。すなわち、室内生活をいかに快適に過ごせる眼鏡を、多くの人が探しているのである。テレビ東京の経済番組『ワールドビジネスサテライト』(2021年2月8日放送)で、リモート映えやマスク映えを含むコロナ禍・眼鏡トレンドの白熱ランキングで、スペックエスパスのヒンジレスフレームが1位を獲得したのである。
しかし、スペックエスパスは室内使いだけでなく、アウトドア&スポーツでもそのパフォーマンスを存分に発揮する! それがこのヒンジレスサングラス、[ES-1991]だ。まずスポーツシーンにおいて軽量さを優先するため、軽量なナイロン樹脂とチタン板を組み合わせているのが特徴だ。テンプルには医療器具として使われるラバロンを使用し、激しい動きにも耐えられる安定した装着性と同時に、頭部を締め付けないストレスフリーな掛け心地を両立。しかも、レンズを覆うヒサシのようなフロントリムによって、サイドからの太陽光線をシャットアウト。自転車やオートバイなどのツーリングでは、安心して走ることができるのだ。
また、収納時にはテンプルをフロント部分の両サイドを利用して折り畳むことができるし、さらに登山などで汗をかいたら弾性に優れたテンプルを首にかけてタオルで汗を拭くといった裏技的な使い方もできる。