上原浩治に聞く Q.5 メジャーで取り入れたほうがいい日本式ってありますか?
上原浩治さんに聞く、30問30答! 日本野球のよさとは?
道具がやしなった「反骨心」
――上原さんの場合、大学のころのハングリー精神もあると聞いています。
そうですね。僕がいたころの大阪体育大学は、決して名門といえるチームではなく、関東の強豪校からしたら「どんな学校?」くらいのレベルだったと思います。そんななかで社会人と学生による日本代表チームに選んでもらったときのことは忘れられない。
日本代表チームには東京六大学を代表とする名門校の選手がいたのですが、彼らは試合が終わったらアンダーシャツやバッティンググローブを捨てていた。彼らの道具というのは、ほとんどが支給品だったんですね。すべて自腹でそろえている僕らからすれば、それは目を疑う光景でした。
――まだ使えるのに、と。
はい。絶対にこいつらには負けたくないと思いましたね。そうした大学時代の経験が僕の「反骨心」の原点になっていったと思います。全国大会に出て勝ち進んでも、きちんとした後援会もなく、ほとんどの宿泊費を自費でまかなっていた僕らは勝てば勝つほど経費がかさんで苦しくなった。雨天中止になったときなんかは本当に帰ろう、なんてメンバーで話していたくらいでしたからね。
――そうした「反骨心」が自身のいまにつながっていると思いますか?
それは間違いないですね。「反骨心」を持っていたからこそ、苦しい練習にも耐えられたし、ここまでこられたと思っています。みなさんも「反骨心」を持てば、きっとうまくいくとは言えないんですけど、少なくとも僕の場合はそれがいまにつながっていると思います。
明日の第六回の質問は「Q. 6 “一流たち”に負けない戦い方とは?」です!
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