「地名つき食品」のブランド化は地域の努力あってこそ
【地名の謎と歴史】地名+食べ物それだけで伝わるおいしさが格段にアップ
大間まぐろ、米沢牛、横手やきそば…地域名称が付いた食べ物には、強い訴求力がある。「地域団体商標」としてブランドを保護されているのだが、各自治体や生産者側にもその価値を維持する努力が求められるのだ。
■特産品で地域のブランド化が促進
メロンといえば夕張、牛肉といえば神戸や松阪というように、特定の地域名を冠したいわゆるブランドつきの特産物や食品が全国に広がっている。特定の地名を冠することで、おいしさや品質を保障する付加価値を生み、消費者にとって大きな魅力となっているといえる。
効果はそれだけにとどまらない。特産物名が広く知られることで、その地域の知名度がアップし、観光産業や商業にも好影響がもたらされることは確実。なかにはブランド食品の魅力が、自ら生産者としてその土地で仕事をしたいと考える人間を生むことさえあるという。地方活性化への効果は決して少なくないのだ。
もちろんすべての特産品がそういった影響を及ぼすとは限らない。村をあげてハバネロを生産したものの、さっぱり売れなかったという話もある。
とはいえ、ブランドとして登録されることは決してゴールではない。品種改善、販売ルートなど、生産側の工夫や消費者側への対応を繰り返し、ブランド価値を高めていくことによって、多くの食品は真の価値を獲得できる。各自治体と生産者の協力により、より美味で力のあるブランド食品が生み出されていくのだ。
(『47都道府県 地名の謎と歴史』より抜粋)