渋沢栄一ゆかりの「血洗島」だけじゃない【ニッポンの珍地名】
【地名の謎と歴史】ニッポン珍地名 語感・字面に「えっ !? 」、 由来を知って「へぇ~」
地名王国と言われる日本列島を北から南へ探してみると、思わず耳を疑う地名や「えっ!?」と二度見してしまう地名がたくさんある!(47都道府県 地名の謎と歴史)
【語感・字面に「えっ !? 」、 由来を知って「へぇ~」となる珍地名】 ●女体入口(にょたいいりぐち)長野県駒ヶ根市 バス停名。女体の由来にはかつて入山できない女性が待つ「女待=にょたい」など諸説ある。 ●ノゾキノ鼻(のぞきのはな)長野県駒ヶ根市 鼻は岬の地形を表す。かつて地元民が藻塩の漂着を監視したとか。 ●オカマ池(おかまいけ)大阪府和泉市 和泉市にある池。もともとはお釜か? 漢字表記は山梨県にもあり。 ●鼻毛石(はなげいし)群馬県前橋市 苔が鼻毛のように見える、周囲11mの巨大岩が由来。 ●野口五郎岳(のぐちごろうだけ)富山県富山市/長野県大町市 昭和のアイドル歌手の芸名はこの山にあやかって付けたもの。 ●大田光(おおたっぴ)青森県つがる市 読みは異なるが字面はお笑い芸人を連想させる。インパクト大。 ●血洗島(ちあらいじま)埼玉県深谷市 渋沢栄一ゆかりの地。由来は合戦やアイヌ語など、諸説ある。 ●金玉落としの谷(きんたまおとしのたに)静岡県菊川市 中世、戦闘訓練で山から金の玉(木の玉説も)を落としたのが由来。 ●日本国(にほんこく)山形県鶴岡市/新潟県村上市 山形県と新潟県の境にある山。登山をすれば日本の頂を征服!? ●冷蔵庫前(れいぞうこまえ)三重県北牟婁郡紀北町 近くの製氷会社がきっかけだとか。遊び心溢れるネーミングセンス。 ●天使突破(てんしつきぬけ)京都府京都市 天使社の境内を突き抜けて造られた新しい道がきっかけ。 ●ニセ金庫岩・金庫岩(にせきんこいわ・きんこいわ)北海道上川郡東川町 大雪山系の旭岳に存在する岩。登山時の目印として間違える人多数。
■遊び心を持つことも地名を楽しむ醍醐味
日本列島はバラエティ豊かな地名の宝庫だ。多様な地名は、その後、漢字が当てられたり、転訛したり、あるいは日本語の意味や読みが変わるなど、さまざまな変遷を経て今日に至っている。それらを現代人の感覚で見る(読む)と、「!?」と感じる地名も出てくる。
島国ゆえに地形の多様さによる「地形由来」は、その代表例だろう。海や山、川、湖、岬、入り江など、先人たちはその景観にちなんだ名前を土地に付けることで、居住地により親しみを持ったに違いない。
農耕文化による「農業由来」も興味深い。田んぼの所有者を巡り区分けをはっきりさせるため、土地に名前をつける必要があった。大昔は、田んぼ1枚にも名前がついていたというほど、日本人と地名は深い関わりがある。
このほかにも神道や仏教に影響される「信仰由来」や、その土地を治めた勢力や渡来人、アイヌ、琉球などの「氏族・民族由来」もある。その地方に言い伝えられる「伝説由来」は、物語の真偽はともかく、地名由来にファンタジーな要素が加わって、興味が広がる。
こうして生まれた地名から土地の歴史を知ると、さらに面白さが増すものだ。遊び心を持つことも地名を楽しむ醍醐味の一つだろう。
(『47都道府県 地名の謎と歴史』「珍地名100選」より抜粋)