虚を致すこと極まり、静を守ること篤し
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第三十二回
第一部 人の道、天の道とは何か
十六章 静はすべての根源
老子第十六章
致虚極、守静篤。
十六章 静はすべての根源
老子第十六章
致虚極、守静篤。
★人生、新たなスタートの春
新たなスタートの春、生命が生き生きと成長する季節です。会社の中での人事異動で新しい部署への1歩を踏み出される方、また長年の仕事に一区切りをつけて、第二の人生を歩み出される方やそれを見守るご家族の門出の季節に、古代中国に生まれた人生の達人、「老子」の珠玉の言葉をお贈り致します。今月は第十六章の「道」TAOの究極の世界「虚、静」についてです。
★溢れる情報に翻弄されない生き方
「老子」には、この広大な宇宙に貫徹している真理が説かれています。そしてこの十六章では「虚」と「静」の大切さを語っているのです。私達人間が、幸せに生きる為のポイントは、なんといっても身心が健康で、その気が調和している事です。ところが加速度的にコンピューター化されてゆく現代社会の中で、インターネットに溢れ出す情報の洪水の中で、すでに私達の脳は、膨大な情報に無感動となり、冷静な判断能力は低下して、悲鳴をあげているように思います。結果として大量の情報を処理する能力にたけたコンピューターやロボットを、人間が使うのでなく、まるで使われている状態に移行しようとしている、急激な時代の流れに、不安を覚えている人も少なくありません。さあ、ここで私達人間が、もう一度人間らしさを認識し、その能力を発揮する時が来ているのです。
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