二流の人がやってしまいがちな、部下の相談への対応
AI時代のリーダーの原則②
今後AI時代に生き残るリーダーは、どのようなリーダーか? これからはますます、機械ができること、人間にしかできないことが区別されていきます。機械にもできる仕事をやっているリーダーは評価されなくなり、機械に取って代わられるのは間違いありません。私たちが仕事をする上で、「過去も現在もそして未来も変わらなく必要な能力」と、「これから必要になる能力」があります。1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた鳥原隆志氏が、新刊『AI時代のリーダーの原則』にまとめました。今回は、「これからも必要な能力」として【洞察力】【部下育成力】【ヒューマンスキル】について述べたいと思います。
■洞察力~部分と全体を見る能力
リーダーの仕事は、メンバーなどの与えられた資源を有効に活用し、チームを目標達成に導くことです。
ただし、前提条件があります。それは「全体最適」という前提条件です。
例えば、あなたがあるショッピングセンターに買い物に行ったとしましょう。すると福引をやっています。1000円で一回クジが引けるということで、あなたは、あるお店に入り買い物をしました。
しかし福引券はくれません。理由を聞くと店員はこう答えました。
「協賛金が高く、効果が見込めないので当店は参加しておりません」
あなたは不満に思うだけではなく、今後、このショッピングセンターのイベントへの信頼度も低くなるのではないでしょうか?
これを「部分最適を優先した全体最適の損失」と言います。
実はこれが、会社という組織でも同じことが言えるのです。
ある部署が全体でやっていることに相反する行動をすると、その部署が目標達成したとしても、全体で不利益になると意味を成しません。
なぜなら、全体の不利益は部署の不利益より影響度が大きく、ひいては長期的に見ると、部署の不利益にもつながるからです。
ですからリーダーは、全体最適を考えた判断をしなければなりません。
つまり、目先のことだけで判断や行動をしてはいけないのです。
・全体から見てどうなのか?
・先を見据えてどうなのか?
せめてこの二つの方向から、自身の判断を検証することが望まれているのです。
これを洞察力と言います。
洞察力は「見えないものを見抜く力」とも言われています。
リーダーとしてメンバーと同じ視点で物事を見てはいけません。
洞察力を意識してリーダーの目を養って下さい。