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二流のリーダーがやりがちな「部下の報告の聞き方」

AI時代のリーダーの原則⑧

■品格~上司の品格

 最後にリーダーとしての品格について述べます。

 私の会社の研修室には鏡があります。それは講義台のすぐ横にあり、いつでも講師が見れるようにしているのです。

 ただし、多くの講師が登壇されますが、その鏡を見られる方とそうでない方がいます。

 鏡を見ていても、自分の気になるところだけ見る方や、適当に見る方、じっくり見られる方がいます。

 私は、講師は誰から見ても好感を持てる服装でなければならないと思います。

 なぜなら、受講生は尊敬される人の話しか聞いてくれないからです。

 上司やリーダーも同じです。

 尊敬されるリーダーにしかメンバーはついてきません。

 尊敬とはその人の能力や出した結果だけではありません。大部分はその人自身の品格に魅力を感じます。

 まずは、あなたが仕事をしているときの姿勢をチェックしてください。品格のある方は、姿勢が良いものです。椅子に吸い込まれるような猫背の姿勢の人に、立派なリーダーはいないのです。

 そして、油断すると品格は下がってきます。

 例えば私も雑誌などで写真を撮られるときに、カメラマンから指摘を受けることがあります。

「ネクタイが曲がっている」

「手首部分から出ているシャツの長さ」

「姿勢」

「顎を引く」

 鏡でチェックして大丈夫だと思っても、他人から見れば、それはだらしないように見えてしまうものです。

 もうひとつ品格には、相手を大事に扱うということも大切です。
 暴言はもちろん、よくありがちですが、「お前」という呼び方は、品格を失うことが多々あります。
 部下を大事に扱っているという気持ちも、品格の一部です。

 一流ホテルで朝食を取ると、多くの方がウエイターさんにお礼を言ったり、話しかけたりします。しかし、中には、俺がお金を払っているとばかりに暴言を吐いたり、物のように扱う人もいます。

 一流ホテルで一流のブランドに身を包んでいても、それでは、人間として三流だなと感じます。

 私自身も社員面接でお茶を出す社員に対して、応募者がどのような対応をするか観察しています。

 品格のある人は自然なお礼ができます。それはいつもそのような行動に対して御礼を言う習慣があるからです。

 ぎこちない方や反応を示さない方は、品格が足らない方だと思います。

 品格は経年劣化します。
 年齢が上がると、どこか偉くなったような気がして横柄になってしまうのです。
 上司が飲み会で泥酔して部下に絡むなどということは、横柄以外の何物でもありません。

 リーダーとしての品格は、器の大きさと比例します。
 AI時代の一流のリーダーとして、ぜひ品格を育ててほしいと思います。
 

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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